DXのパートナー企業を探すときのポイント

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dxパートナー

大手の企業をはじめ、中小企業もDX(デジタルトランスフォーメーション)が求められる時代となりました。DX推進を図るために、DXのパートナーを探している企業もいると思います。
しかしどのようにしてDXパートナーを選べば良いのかはとても難しい問題です。

そこで本記事では、DXのパートナー企業を探している方が、どのような悩みを持っているのか、またDXのパートナー企業を選ぶ際にどのような視点を持つべきかを紹介します。

 

DX解説書

DXのパートナーを探す企業の悩み

DXの悩み

パートナー企業を探している会社では、どのような悩みを持っているのかを紹介します。DXの取り組みにどういった成果を期待しているのかを確認してみましょう。
そもそもDXとは何か?ということがしっかりと分からない方も少なくないはずです。
DXについてまとめた記事も用意しておりますので、ぜひご活用下さい。

関連記事【動画紹介付き】DXとは何かわかりやすく解説|成功する為の5ステップと事例紹介

現状の業務効率が悪い

労働人口が減少している日本企業では、生産性向上のためにDXの取り組みで業務効率を上げることが求められています。会社の業務効率が上がりにくい原因の一つが「レガシーシステム」です。
レガシーシステムとは、そのままの意味で時代遅れの古い仕組みやシステムのことです。過去に導入したシステムを使い続けているため、業務効率が上がりにくくなっています。新しいシステム導入には大きな初期費用が必要となるため、コスト面を考えて導入に前向きになれない経営層も少なくありません。それが業務効率化の妨げになっているのです。
よく見られるのはサーバーのクラウド化です。近年ではクラウドサービスも充実してきたことから、自社内にサーバーを設置するメリットも薄れてきました。

集客や売上を向上したい

ビジネスの売上利益UPのために、AI等のIT技術を使うことで集客力を向上したいと考えている企業もいます。
たとえば、AIならECサイトで買い物をした顧客に対して、関連するおすすめ商品を自動的に提案してくれます。店頭で店員が実施していた商品提案をAIが代行してくれるため、よりスピーディなビジネスが実現でき、売上向上に繋がるのです。

事業・業務をオンライン化したい

IT技術により事業や業務の一部をオンライン化させて効率化させたい、という悩みを持つ企業もいます。なぜなら、オンラインでのやり取りは近年一般化しつつあるからです。
たとえば、「Web会議システム」です。いままでは面談や打ち合わせをする際、人と人とが直接会っていました。しかし、今では感染症対策によりオンラインでのやり取りが普及しています。
このオンラインでのやり取りが一般化したことにより、地方に住む顧客に対しても気軽にコミュニケーションを取ることができるため、事業のオンライン化を望む企業も多くいるのです。

何から取り組めばよいのかわからない

上記3つのような悩みを抱えつつ、そもそも何から始めれば良いかわからない悩みを持っているパターンもあります。たとえば、レガシーシステムから移行して業務の生産性を向上させたいと思っていても、具体的にどのようなシステムを導入すれば良いのかわからないというような悩みです。

DXのパートナー企業に求められるスキル

DXパートナーのスキル

様々な悩みを抱えた企業が、DXを成功させるためにパートナー企業を探しています。ですが担当者の中には、どのような視点でDXのパートナー企業を選べば良いのかわからないという方もいるのではないでしょうか。
そこで、具体的にどのようなポイントに注目してパートナー企業を選出すべきかを解説していきます。

企画・構想の段階から伴走できるか

まず、企画・構想から一緒に取り組んでくれるスキルが求められます。なぜなら、DXを実現すること自体が目的になってしまう恐れがあるからです。
経済産業省ではDXを推進し、その支援の一つとして「DX推進のための経営のあり方、仕組み」「DXを実現するうえで基盤となるITシステムの構築」という2つのガイドラインを用意しています。このガイドラインの内容には、経営層による体制の整備や、DX戦略の策定が大切であると述べられています。
しかしながら、いざDXの担当者となっても、具体的に何から手をつければ良いのかわからない課題に直面してしまいます。この課題に対して、DXのパートナー企業は、相談を受けた会社の状況を整理し、実現すべきビジネスモデルを共に見つけ出すことが重要になるのです。DXの実現は手段であり、「業務の効率化」や「集客や売上向上」等の目的を達成するため、企画・構想段階から寄り添ってくれるパートナー企業が求められます。

DX実装・推進に関する知見があるか

必要な知識・経験を持っているかもDXのパートナー企業に求められている重要なスキルです。経済産業省が公表している「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」では、「DX を実現する上で基盤となる IT システムの構築」という項目があります。デジタル技術を用いるDXにおいて、ITシステムの設計から導入までを円滑に実施することができる体制や人材が用意できているかどうかは、パートナー企業に必要不可欠な要素となります。
企画・構想から伴走できるスキルと共に、DXのパートナー企業には、企画構想からシステム構築まで、一貫して対応できる体制やスキルが求められるのです。

自治体DXのパートナー企業に求められること

住民に身近な地方自治体に対するDXも、総務省から推進されています。「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」では、「自らが担う行政サービスについて、デジタル技術やデータを活用して、住民の利便性を向上させるとともに、デジタル技術やAI等の活用により業務効率化を図り、人的資源を行政サービスの更なる向上に繋げていく」と述べられています。
ここでは、地方自治体に対するDXのパートナー企業に求められているスキルを解説します。

地域の課題にあわせた開発ができるか

まず、地域という規模にあわせた課題解決の開発ができるかどうかという点になります。なぜなら、コスト面の問題で、地域という規模をカバーできるかが重要なポイントとなるからです。
大手のDXのパートナー企業に依頼した場合は価格が3000万を超えます。逆に少数のエンジニアによる小規模な会社では荷が重くなる場合があります。この問題により、地域でDXが進みにくい状況となっているのです。
コストや規模という課題をクリアした企業が、地域の課題にあわせた開発をすることによって、初めてDXを進めることができます。
成功例の一つに徳島県の「電脳交通」があります。電脳交通ではタクシー業界のドライバー高齢化や利用者の減少という課題に対して、クラウド型タクシー配車システムを開発し、ビジネスを成功させています。

業務標準化に対応できるか

自治体DXを成功させるためには、2025年度末までに実施される予定の「地方公共団体情報システムの標準化」に対応できることが求められます。
2021年2月に閣議決定された「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律案」により、20の業務が標準仕様システムに移行することとなりました。このシステムの標準化とは、各自治体が使っている独自のシステムを整理して標準化させ、共同利用を可能にすることを目的としています。
自治体DXを行う際には業務連携もあるため、このシステムの標準化の仕様を理解し、対応できるスキルが求められるのです。

まとめ 〜経営層が率先してDXをリードすることが大切〜

DXを成功させるために大切なことは、経営層のマインドです。パートナー企業に全てを任せても、一部の部門に丸投げしても、DXは成功しません。
パートナー企業はあくまで支援する会社です。中心となっている経営層が高い意識を持ってDXに取り組むことで、はじめてDXの成功に近づくことができます。
DXのパートナー企業と協力して、より良いビジネスを展開できるように進めていきましょう。