【2022年技術トレンド】テックファームエンジニアが選ぶ注目技術8選

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日々、新しい技術が生まれ、気付くと私たちの生活の一部となり、生活・社会がより豊かになっていることが多くあります。

今回、テックファームのエンジニアに、「2022年、注目するITトレンド技術」についてヒアリングを行いました。

2022年に活用が進むと予想する注目の技術を8つを取り上げ、それぞれの技術概要、注目の背景や活用が想定される領域について解説をしていきます。

2022年、 エンジニアが注目するトレンド技術

テックファームのエンジニアからヒアリングした「2022年、注目するITトレンド技術」として、以下8つの技術を紹介していきます。

NFT:代替不可トークンや非代替性トークン
非侵襲型血糖値センサー:採血せずに血糖値を測定する技術
UWB:超高速通信かつ数㎝単位で正確な位置測位が可能な無線通信技術の1つ
LiDAR:幅広い領域に赤外線照射をして物体の3次元形状を認識するための技術
ローカル5G:特定のエリアや建物内に専用の5Gネットワークを構築すること
AIOps:ITを運用するためのAI(人工知能)
SASE:ネットワークとセキュリティを包括的に管理できるセキュリティフレームワークの1つ
ペロブスカイト型太陽電池:太陽の光エネルギーを直接電気に変換する太陽電池

それでは、これらの技術ひとつひとつについて、技術概要、注目する背景や活用シーンなどを見ていきましょう!

NFT

NFTとは?

NTFはNon Fungible Tokenの略で、代替不可トークンや非代替性トークンと訳されることが多いです。

ブロックチェーンの技術を用いてデジタルデータを「証明書付きの資産」として扱うことができるようになります。具体的には、デジタルデータに購買履歴や所有者データを記録することで、これまで売買取引が難しいとされていたデジタルデータを商品として扱えるようになる技術として注目を集めています。

NFTを注目する背景と活用領域

つい先日、日本のプロ野球リーグとして馴染みのあるパ・リーグの6球団がメルカリと連携しNFT事業に参入することが発表されました。国内初のスポーツリーグの試合映像を活用したNFT事業で、パリーグで行われた試合の名シーンを動画コンテンツとして販売。購入者は、ダウンロードして保有することができます。

現状はコンテンツの販売に限られたサービスですが、今後はブロックチェーンを活用した新たなサービスの提供や再販機能の提供も検討しているそうで、今後のサービスへも期待が高まります。

将来的には、スポーツやエンターテイメントの動画コンテンツや写真、アート、アニメ、ゲームなどの幅広いコンテンツがNFT事業に参入することで、ビジネスの新たな収益化に繋がるケースや顧客・ファン・ユーザーとの新たな接点を作るサービスの場として受け入れられていく可能性があります。

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非侵襲型血糖値センサー

非侵襲型血糖値センサーとは?

非侵襲型血糖値センサーは、採血せずに血糖値を測定する技術です。

従来の血糖値測定は、指先に針を刺し、血液を採取する必要がありましたが、非侵襲型血糖値センサーでは、高輝度の赤外線や光センサーを使い、血中のブドウ糖(グルコース)値を計測します。

非侵襲型血糖値センサーを注目する背景と活用領域

世界には5億人を超える糖尿病の患者がいます。糖尿病は血糖値を正確に測定できれば、問題なく日常生活を送ることができます。

しかし、継続的な血糖値測定には血液や間質液などの採取が必要で、身体への負担や、測定機器の交換にかかる費用負担などが課題となってきました。

そんな中、近年は赤外線や光センサーを使うタイプの非侵襲型血糖値センサーが精度を上げ、実用化が進んでいます。非侵襲型血糖値センサーの利用が広がることで、健康な人でも栄養管理や効果的なダイエットなどに役立つことが期待できます。

2022年は、このような非侵襲型血糖値センサーが一般的なスマートウォッチに搭載されることが予測されています。今後はアプリと連携した血糖値管理が主流となり、健康支える指数の1つに血糖値が重要な役割を果たすかもしれません。

UWB

UWBとは?

UWBとはUltra Wide Bandの略で、超広帯域無線通信と訳されます。

無線通信技術の1つで、その特長は、超高速通信でかつ数㎝単位で正確な位置測位が可能なことです。その高精度な位置測位は距離だけではなく対象物の形状まで把握することができます。

UWBを注目する背景と活用領域

UWBは、元々軍事用レーダーとして研究されており、アメリカでは2002年に民間利用が開始されています。iPhone11〜やGalaxy S20〜など、各社のスマートフォンに標準機能として搭載されたのが再注目のきっかけとなりました。

そして世界の自動車メーカーがUWB対応の車種を続々と発売しており、今までのスマートキーよりも格段に便利で反応も速く安全性が高まっています。その他にも、家やオフィスのスマートロック、忘れ物防止タグなどへの展開も始まります。このように2022年はUWBが本格的に普及し始めることが期待されています。

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LiDAR

LiDARとは?

LiDARとはLight Detection And Rangingの略で、直訳すると「光の検出と測距」です。幅広い領域に赤外線照射をして物体の3次元形状を認識するための技術です。

LiDARを注目する背景と活用領域

小型化と低価格化が進んだことで、iPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxに搭載され注目を集める技術になりました。

スマートフォンでのLiDARの活用は主にカメラ画像の深度検出に使われています。例えば、一眼レフカメラのような背景ぼかしの本格的なポートレート写真を撮ることができたり、Web会議で正確に背景を消したり、シネマ効果として人物が浮き上がるような動画撮影をすることが可能になりました。

そして、いまLiDARに注目する1番のポイントとして挙げられるのは、昨年シンガポール国立大と韓国の延世大学の研究チームが発表した「隠しカメラ検出技術」です。このような新しい技術の応用が、安心して暮らせる社会につながることは、まさにテクノロジーに関わる私たちの期待するところです。

そのほかにも、LiDAR技術の特長でもある3Dのモデリング作成精度を生かし、アパレル業界や住宅・リフォーム業界、エンタメ業界など幅広い分野で顧客の新しい体験を実現できる可能性を秘めている技術と言えます。

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ローカル5G

ローカル5Gとは?

ローカル5Gとは通信事業者ではない企業や自治体が、特定のエリアや建物内に専用の5Gネットワークを構築することを言います。

各通信事業者から提供される通常の5G電波でカバーできないエリアもローカル5Gであれば5Gネットワークを構築することが可能です。

5Gとローカル5Gの関係性

2020年に日本国内でも5Gがスタートし、現在では多くのスマートフォンが5Gに対応し、一般的になってきました。

5Gにより通信容量が大幅に増えたことから、各社の「ギガ」上限が緩和され、固定型のホームルーターも新しいサービスとして提供されるようになりました。しかし、固定型ホームルーターが大量の通信をすることで一般のスマートフォン利用者の通信が遅くなるジレンマが生じ、キャリア各社は通信帯域の管理方法には慎重な姿勢を保っています。

そこで注目されるのが「ローカル5G」です。日本では地域や大規模な工場などでの利用を想定してローカル5Gという電波帯域を別枠で確保してきました。2022年は、一部のインターネット接続サービス事業者が、このローカル5Gを利用した固定インターネット接続サービスを開始することを発表しています。

ローカル5Gの活用領域

一般のスマートフォンとは競合しない独自の周波数(4.8~4.9GHz帯)による5Gの固定インターネット接続サービスが実現することで、一般的に通信速度が遅いとされるVDSL方式などを使った古い設備のマンションでも、加入者単位で最新の高速インターネットが利用できるようになります。

リモートワークも増えた今、高速なインターネット接続は、快適性だけではなく、仕事の生産性に直結する課題になっています。ローカル5Gの活用で、接続の自由がどこまで広がるのか、今年の注目したい技術のひとつです。

関連記事 ローカル5G活用で成功するには!?具体的事例を交えながら解説

AIOps

AIOpsとは?

AIOpsとはArtificial Intelligence for IT Operationsの略で、ITを運用するためのAI(人工知能)と訳されます。

AIや機械学習の技術で大規模で複雑化したネットワークデータを学習させ、煩雑化するITシステムの運用を自動化することで運用の効率化が期待できる運用手法です。

AIOpsを注目する背景と今後への期待

システムの運用には、枯渇しつつあるエンジニアのリソースを確保する必要があり、また運用コストが負担となるケースが多くあります。昨今では、各企業でのDX推進やデジタライズへのシフトにより、あらゆる業務がシステム化されており、システム運用への業務負荷が重くなるという課題も増えています。

AIOpsのメリットとして、障害検知や異常検知を予測できることでシステム運用の業務負担を軽減することができます。また、過去に発生した障害対応のデータをAIが学習することで、障害発生時に具体的かつ適切な解決方法をAIが提示してくれることも可能なため障害に対して素早い対応がしやすくなり、ヒューマンエラーなども防ぎやすくなるでしょう。

このようにAIを活用したシステム運用が可能となれば、システムエラーに対応する時間やコスト、リソースを削減し、サービスをグロースさせることに注力することができる点でも、今まさに必要とされる技術の1つと言えます。

システム導入検討時から運用を見据えた設計を行うことが、その後のビジネス成長スピードにも大きな影響を与える可能性があるため十分に考慮したいポイントです。

関連記事 AIOpsとは?AIOpsの概要・導入メリット・ユースケースを解説

SASE

SASEとは?

SASEとはSecure Access Service Edgeの略です。

これまで別々で管理されていた「ネットワーク」と「セキュリティ」を包括的に管理できるセキュリティフレームワークの1つとして注目されています。

SASEを注目する背景と今後への期待

日本でもコロナをきっかけに、リモートワークやワーケーションなどハイブリッドな働き方が浸透してきました。そんな働き方の変化に対応するため、あらゆるデバイス、ロケーションから安全にネットワークに接続できるセキュリティフレームワークとしてSASEは注目されつつあります。

昨今、多様な働き方や企業のDX推進によってクラウド化も急速に進む中、「ゼロトラスト」の考え方に基づいたセキュリティ構築が注目されています。ゼロトラストは簡単に説明すると、外部アクセスのみならず内部からのアクセスも信用しないという考え方です。

ゼロトラストを実現する課題として挙げられることとして、さまざまなセキュリティやネットワークツール導入による運用の複雑化や管理の難しさ、セキュリティポリシーの不統一が挙げられます。その課題を解決する方法としてネットワークとセキュリティの機能を包括的にクラウドから提供できるSASEが注目され、今後より活用が進むと期待されています。

柔軟な働き方に対応する環境作りには欠かせない技術となるでしょう。

ペロブスカイト型太陽電池

ペロブスカイト型太陽電池とは?

ペロブスカイト型太陽電池は2009年に日本で発明された太陽の光エネルギーを直接電気に変換する太陽電池です。

ペロブスカイト型太陽電池を注目する背景と活用領域

ペロブスカイト型太陽電池は、2021年に海外で生産が開始され、2022年には世界各地で量産が予定されている、まさに今年注目する新技術といえます。

これまで太陽光電池として主流だったシリコン系太陽電池はガラス保護層を必要とし、重たく固い形状で設置できる場所が限られていました。しかし、ペロブスカイト太陽電池は薄くて軽い、そして折り曲げることのできるため、外壁や窓ガラス、自動車の車体、家電製品やおもちゃの表面など利用の幅が拡大していくことが予想されます。

また、ペロブスカイト型太陽電池は、印刷での製造手法により従来の太陽電池に比べ大幅な製造コスト削減が見込めます。世界的に脱炭素への動きが加速する今、「脱炭素」にも大きく寄与することは間違いありません。

まとめ

今回ご紹介した「エンジニアが選ぶ2022年注目のトレンド技術」には、いま各業界で推進されるデジタル化やDXにも関係のある技術や、世界的な課題へアプローチできるものなどがありました。

そして、これらの技術は企業ビジネスに生かすことで新たな価値を生み出す可能性も秘めています。この機会に、エンジニアが注目する技術から、自社にとってどのような活用が可能か検討してみるのはいかがでしょうか。