工場内の安全対策に!ヒューマンエラーを防止する方法

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様々なものを製造している工場ではどうしても事故が起きてしまいます。その中でも、防げたかもしれないとされるのが「ヒューマンエラー」です。そして残念ながら、実際に起きている事故の多くがヒューマンエラーが原因のものです。

そこでここでは工場内で起きるヒューマンエラーについて説明し、どうすればヒューマンエラーを防げるかについてご紹介していきます。

工場内でのヒューマンエラーはなぜ起きるのか

ヒューマンエラーは起きるもの

まずこのような言い方をすれば身もふたもないかもしれませんが、ヒューマンエラーは必ず起きるものです。

もちろん、ヒューマンエラーは起こさないことを目標にしていかなければなりません。しかし、工場で勤務しているのは人間です。新人で不慣れな人もいるかもしれません。慣れているがゆえに注意力が散漫になっているかもしれません。いつもは真面目な人も体調が悪くて集中しきれていないかもしれません。これらのことが原因となってヒューマンエラーはどうしても起きてしまいます。

ここで重要なのは、ヒューマンエラーは起きることを大前提に考え、「できるだけ起こさないようにすること」「事故が起きたら迅速に対応する」「次に同じ事故が起こらないような対応策を考える」ということなのです。

工場で起きる3つの種類のミス

では具体的に起こるヒューマンエラーとはどういったものでしょうか?

特に多い原因は「見落とし」「思い込み」「やり忘れ」の3つだと言われています。

例えば、

  • 通行禁止のサインが出ているのを見落として通行し事故が起きた
  • 指示書に修正が入っているのに見落としていて前の指示のままで製造を始めた

というようなものが「見落とし」です。

  • いつも〇〇だから、てっきり今日も〇〇だと思って作業を行った。
  • あの人はベテランだからすべて言わなくてもわかってくれるだろうと思っていた。
  • 以前はそのやり方でできたので確認しないで前と同じやり方で行った。

というものが「思い込み」です。

  • 上司から今日は先にこれをしておくように、と言われていたのに忘れていた。
  • 後で指示書を送れば良いと思ったまま出すのを忘れた。
  • 作業が終わればスイッチを切らなければいけないのに切るのを忘れていた。

というのが「やり忘れ」です。

この他にも「見間違い」「勘違い」「知識・技量不足」「怠慢」などヒューマンエラーの原因は数多くあります。

ヒューマンエラーによる事故や災害を防ぐ方法

ヒューマンエラーによる事故や災害を減らしていくことはもちろんできます。ここでは、そのための方法をご紹介していきましょう。

人のミスが発生しない環境を作る

まずヒューマンエラーが発生しないようにするという方法があります。

そのうちの1つが「人を介在させない」という方法です。

近年急速に進んでいるやり方でもあるこの方法は、機械ができる工程はできるだけ機械にさせるというものです。そうしてシステム化していくことでヒューマンエラーが起こる可能性を減らしていくのです。

もう1つが「シンプル化・マニュアル化」させるというものです。これは特に新人や配置転換されたばかりの人のヒューマンエラーを防ぐ効果があるものです。

長くその仕事をしている人は、そのやり方が身についているために「自分はできる」という状況になっていることがあります。しかしそのやり方はその人個人ができるやり方であって、客観的に見れば複雑でシステム化されていないやり方かもしれません。そうした仕事を誰にでもミスなくできるように不要な工程を省いてできるだけシンプル化し、それをマニュアル化することでミスなくできるようにするという方法です。

どちらもミスを発生させない環境をつくるための良い方法と言えます。

人がミスをしないように訓練する

これは当たり前のようですが「練習する・訓練する」という方法です。

知識不足、技量不足のために起こってしまうヒューマンエラーはしっかりと訓練できていれば防げることもあるのです。

たとえば、マニュアル化した方法を徹底させる。同じ材料を使って工程や作業をテストしてみる。最近ではVRや疑似装置を使って体験訓練をするということもできるようになっています。

ミスによる危険予知と防止の体制を作る

これも人が行うものと機械が行うものがあります。

例えばチェックする人を増やす、異常を知らせる機器をできるだけ多くの人が見る機会を増やすということでミスの防止をすることができます。

また、近年急激に意識されているIoTを絡めるという方法もあります。これはInternet of Thingsの略で、よく「モノのインターネット」と言われるものです。

人やモノにセンサーを付けてインターネットを繋げることで特定条件に当てはまるとアラートを飛ばすなど、危険予知の精度を大幅に上げることができ、ミスが起こる可能性を減らすという方法です。

例えば、誰かが間違えて進入禁止のエリアに入るとあちこちでアラームが鳴ったり、ラインなどの工程で異常が発生した場合にすべての工程にその異常を知らせることでミスの重なりを防ぐという使い方ができます。

こちらは導入している工場も増加していることから、さらに利用が進められていくと予想されています。

まとめ

ヒューマンエラーは人間が関わっている以上、完全になくしてしまうことはできないかもしれません。しかし、工夫や取り組みによって減らしていくことはできます。

人を訓練する、機械を導入するなど色々と方法がありますので、それらをうまく組み合わせて導入し、事故を未然に防いでいくように心がけていきましょう。