100のファンクラブの会費とコンテンツを調査！今どきのアーティストファンクラブの会費相場とは？

コロナ禍によりライブなどのリアルイベントの開催ができず、アーティストの新たな収入源の確保が急がれています。

そういった中、注目を集めているのが「ファンクラブ」。

会員が集まれば、おおよその金額が決まったタイミングで継続的に支払われ売上確保につながるため、アーティストのファンクラブ運営には、より力が入ることが予想されます。

今回はファンクラブの年会費や入会金の相場平均、コンテンツについて、詳しくご紹介します。

ファンクラブの入会費・月額費・年会費

まず、ファンクラブの会費を解説していきます。

ファンクラブのユーザーが支払う費用は、大きく分けて3種類。

• 入会費……目的のサービスに入会するために必要な費用、一度支払えば入会できる
• 月額費……サービスや特典を利用できる会員資格を、1か月間得るために必要な費用
• 年会費……サービスや特典を利用できる会員資格を、1年間得るために必要な費用

ファンクラブによって、入会費が必要ない場合や、月額払いか年間払いかを選べるケースもあります。また、月額制のモバイルサービスをファンクラブとして運営しているアーティストもいます。

ファンクラブ会費とコンテンツ一覧

次に「ファンクラブ」のワードで検索した際に、予測変換で出てくる上位100のファンクラブの入会費や月額費および年間費、コンテンツを調査した結果がこちらです。今回は、この調査をもとに会費についての分析と考察を進めていきます。

大きい画面で見る場合はこちらから閲覧できます。

ファンクラブ会費の相場

続いて、先程のファンクラブ一覧から会費をさまざまな角度でみていきましょう。
ファンクラブの会費を、下記の5つにわけました。

• 平均値
• 中央値
• 最頻値
• 最高金額
• 最低金額

会費の値や金額から、ファンクラブの相場を詳しく解説します。なお、これからご紹介するファンクラブの金額は、入会金＋年間費、または月額の場合1年分の価格をあらわしています。

ファンクラブ会費の平均値

はじめに、ファンクラブの会費の平均値をみていきます。平均値とは「対象となるすべての数値を合計して、数値の個数で割った値」をさします。俯瞰して数値全体をみるときに、役立つのが「平均値」です。

調査した上位100のファンクラブの年間にかかる、平均金額は、5,879円でした。

平均金額の5,879円に最も近いのは、7ORDERのファンクラブで5,940円。7ORDERのファンクラブは、月額制（495円）のため、気軽に登録しやすいようになっており、入会へのハードルも下がっているといえます。コンテンツは、スマートフォン、PCなどデジタルで見られるものが多く、限定動画やスタッフブログ、バースデーメールなど、8個のコンテンツが用意されています。

ファンクラブ会費の中央値

次に、ファンクラブ会費の中央値を考察していきます。中央値とは「小さい数値から並べたときに、真ん中にくる数値」をさし、上位や下位の極端な数値に影響を受けないメリットがあります。

調査した上位100のファンクラブの年間にかかる金額の中央値は、5,500円。

中央値の5,500円と同額だったファンクラブは、超特急、福山雅治、ももいろクローバーZ、Perfume、水樹奈々、宮野真守、山下智久の合計7つでした。水樹奈々のファンクラブを除いた6つのファンクラブは、コンテンツ数も10個を超えており、なかでも福山雅治のファンクラブは、コンテンツ数も19個と多く、待受画像やフォトフレーム、デジタル会報誌など種類も豊富で充実しています。

ファンクラブ会費の最頻値

続いて、ファンクラブ会費の最頻値をみていきましょう。最頻値とは「対象となるデータのなかで、一番数が多い値」をさします。中央値と同じく、極端な数値や例外的な数値を含ませたくないときに役立ちます。

調査した上位100のファンクラブの年間にかかる金額の最頻値は、5,000円でした。

最頻値の5,000円と同額だったファンクラブは、下記の19個ありました。

嵐、関ジャニ∞、King & Prince、Hey! Say! JUMP、KinKi Kids、Kis-My-Ft2、Snow Man、NEWS、Sexy Zone、ジャニーズWEST、V6、SixTONES、KAT-TUN、TOKIO、木村拓哉、A.B.C-Z、ジャニーズJr.情報局、aiko、L’Arc-en-Ciel（デジタルファンクラブ年会費コース）

19個のファンクラブ中、17個がジャニーズ事務所のファンクラブでした。ジャニーズ事務所のファンクラブは、会員数や人気に関係なく一律で5,000円となっています。

ジャニーズ事務所のファンクラブは、チケット先行優先予約や公開番組の観覧、バースデーカードなど、おおよそ9つのコンテンツがあります。ファンクラブの他に、月額330円の「Johnny’s web」もあり、こちらはジャニーズ事務所に所属するメンバーの日記やコンテンツを、グループの垣根を越えてみられるサービスとなっています。

100件のうち最高会費のファンクラブ

それでは、100件のうち最高会費のファンクラブをご紹介します。調査したファンクラブのなかで、最も価格が高かったのは「Hello! Projectスペシャル会員（ゴールドカード発行）」で18,300円でした。

Hello! Projectのファンクラブは、下記の4つに分けられています。

• ジュニア会員……小学校6年生以下
• 一般会員……年齢制限なし
• スペシャル会員（Hello! Projectカード発行）……18歳以上（高校生不可）
• スペシャル会員（Hello! Projectゴールドカード発行）……30歳以上で安定継続収入のある方

年齢やオリジナルクレジットカードの有無、コンテンツでコースが変わります。一般・キッズ会員とスペシャル会員の大きな違いは、オリジナルクレジットカードの発行です。オリジナルクレジットカードを使ってポイントを貯めると、好きなメンバーとの2ショット写真や直筆入りの写真などの特別なアイテムと交換できます。ゴールドカードを発行したスペシャル会員限定の交換アイテムも用意されています。

また、「Hello! Projectスペシャル会員（ゴールドカード発行）」のみのコンテンツとしては、月1回配信の「オリジナル壁紙」があります。他にも、会員証の色とデザインが変わり、「Hello! Projectスペシャル会員（ゴールドカード発行）」のカードは、特別感のあるゴールドのデザインとなっています。

100件のうち最低会費のファンクラブ

最後に、100件のうち最低会費のファンクラブをお伝えします。調査した有料ファンクラブのなかで、最も価格が安いのは「Hello! Projectジュニア会員」で1,500円でした。

「Hello! Projectジュニア会員」は、小学6年生までが参加できるファンクラブで、入会特典や会員証、会報誌などファンクラブの基本的なコンテンツを楽しめます。一般会員と「Hello! Projectジュニア会員」の大きな違いは、コンサート・舞台・イベントの先行受付で申し込みできるのがファミリー席のみになることです。ただし、ファミリー席がない公演の場合は、一般会員と同じ扱いになります。

Hello! Projectのファンクラブは、子どもと一緒に家族で応援できるように、コースが分かれているのが特徴です。

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ファンクラブの会費とコンテンツの散布図

「ファンクラブ」のワードで検索した際に、予測変換で出てくる上位100の ファンクラブの一覧表をもとに、会費とコンテンツの散布図を作成しました。

散布図とは、データを縦軸と横軸の2つの項目にわけて、該当するポイントに点を打ってグラフ化したものです。縦軸と横軸の変動で数値に変化が起きているのか、相関関係を知りたいときに役立ちます。

今回作成した「ファンクラブ」の会費とコンテンツ散布図からは、相関関係がある際にみられる「正の相関（横軸の値が増加すると縦軸の値も増加する関係）」や「負の相関（横軸の値が増加すると縦軸の値が減少する関係）」がみられませんでした。そのため、コンテンツの豊富さと金額には、あまり関連性がないことがわかりました。

これまでの結果からみると、ファンクラブの金額の相場は5,000～6,000円で、コンテンツ数の平均は、9つだとわかりました。

アーティストによっては、ファンの年齢層やユーザー層に合わせて、ファンクラブのコースを分けて、間口を広げるための施策をとっています。ライトユーザー向けに月額制のコースを用意しているファンクラブも多くみられました。

コンテンツに関しては、チケットの先行申し込みを実施しているアーティストの数が多く、ファンクラブの大きな魅力といえそうです。また、アーティスト自身がSNSを活用して発信する機会が増えているため、SNSと差別化したファンクラブオリジナルのコンテンツを用意しておくといいでしょう。コロナ禍で思うようにライブが開催できないため、チケットの先行申し込みの他にも、魅力的なコンテンツを用意しておく必要があります。

まとめ

コロナ禍でエンターテイメント業界は大きな打撃を受けてしまい、新たな収入源を作ることが課題となっています。一度入会すれば、継続的に会費が支払われるファンクラブは、コロナ禍で改めて注目されています。

アーティストのファン層に合わせたコース設定やコンテンツを用意して、SNSとの差別化を考え運営していくことが、今後のファンクラブの運営で重要なポイントになります。ユーザーの満足度をあげて、会員数のアップや継続率を上げる施策を考えるのが、今後のファンクラブ運営側の使命になります。