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PoC(実証実験)とは?進め方、目的、メリットを解説

  • 2019年11月13日
  • 読了時間: 8分

更新日:2月5日


PoCってなんだろう?効果あるの?そんな風にお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。


PoCとは「Proof of Concept」の略で、直訳すると「概念実証」という意味です。最近では「実証実験」という言葉とほぼ同義で使われています。


PoCなくしては、IoTやAIなどITシステムの導入を成功させるのは難しいと言っても過言ではありません。


今回は、PoCの目的や進め方と、プロジェクトの中でのPoCの役割、さらにPoCを成功させるポイントについてもお伝えします。


<目次>


PoCとは?意味や概念について

改めて、PoCについてみていきましょう。 PoCが日本語でいう「概念実証」であること、現在では「実証実験」とほぼ同義であることは、すでにお伝えした通りです。PoCの目的は、新しいアイディアやソリューションを実際に試行し、企業として投資を行うかどうかの判断をすることです。 特にIT業界ではPoCが盛んに行われています。企業で導入するシステムは、億単位の高額な投資となることも。そのため、導入後の効果などを測定・評価してから投資判断に至ることが多数あります。特にIoTやAIなど、新しい領域のシステムを開発する時などは、PoC実施のメリットがあります。


PoCで何を検証する?

PoCで検証されるのは、主に次のような項目です。

  • 実現性

  • 効果とコスト

  • 具体性

一つずつ具体的にみていきましょう。

実現性

新しいシステムが技術的に実現可能かどうかは、誰もが気になるところです。要件を整理し、企画をいくら練っても実際に作って動かしてみないとわからないことはあります。大きなプロジェクトになればなるほど、想定しきれないことが起こりやすくなります。絵に描いた餅にならないようにPoCで実現性を試してリスクを小さくします。 例えば、IoTセンサーが実際の環境で想定通りデータを拾えるか、実際の環境で電波が正常に届くかなどといった内容が、実現性についての検証です。 ノウハウがないとわかりにくい内容が含まれることも多いため、PoC開始前の段階から技術者を参画させて進めることが重要です。


効果とコスト

費用対効果は、経営上最も重要な項目といっても過言ではありません。現場の環境になるべく近い形で、期待している効果が得られるかPoCを実施します。 例えば無人店舗を運営し、レジなどを自動化することによる費用対効果を検証することなどが、効果とコストの検証です。 投資判断のフェーズに至るためには、この費用対効果の確認が必要不可欠です。期待している効果が得られなければ、当然ながら導入を見送るという判断がされることもあります。 PoCを実施する前にも、机上で十分な費用対効果が得られるか、必ず検討しましょう。他の項目を先に実施しても、費用対効果が取れない場合、徒労となる可能性があります。また、プロジェクトを進めるうちに目的がシステムを導入すること自体にすり替わってしまうケースもあります。どのようなシステムを導入する場合でも、最終目的は費用対効果の達成であることを心得ましょう。


具体性

具体性の検証は、システムを実際に使用する時に必要なことがどのようなものかを見極めるために実施されます。 例えば、データの分析システムを導入したい場合。画面上にボタンを配置し、実際の使い勝手の検証や、仮のデータを使った分析結果の出力などが実施されます。 具体性の検証は、技術的な実現性や費用対効果について一定の担保がなされた後に実施されるのが一般的です。なお、PoCの全ての検証項目で大切なのは、なるべく実際に使用する現場の人員を巻き込むことです。現場から離れた人員だけでPoCを進めてしまうと、現実とはかけ離れたシステムや機能になってしまうことも。必ず現場の人員を巻き込んでPoCを進めましょう。

PoC



PoCのステップ

PoCには、試作・実装・検証のステップが存在します。

試作と実装

まずは、導入したいシステムのプロトタイプを、必要最小限の内容で構築します。 IoTシステムを構築するのであれば、必要なセンサー類を一つずつ準備し、必要な最小限の解析システムを構築することが一例でしょう。 ここでいう「必要最小限」の内容とは、それぞれ導入したいシステムによって解釈が異なってくるため、独自に定義する必要があります。 試作が済んだら、仕様通りに実環境へ実装します。なるべく現場に近い環境で実装するほど、より具体的なPoCの結果が取得可能です。可能な限り現場の環境に近い状態で実装しましょう。

検証

続いて、実装したシステムを使用し、効果を検証していきます。検証にあたっては、可能な限り実際に使用する人や対象を巻き込んで実施しましょう。 例えば、各種センサーと連携させたデータ分析システムの検証であれば、分析担当の参画は必須です。作業員の動線分析の検証であれば実際の現場で作業している作業員、無人店舗運営の検証であれば実際の顧客に店舗を利用してもらうことが重要です。



PoCを実施する上でのポイント

最後に、PoCを実施していくうえでの重要な3つのポイントについてお伝えしていきます。

実際の現場と同じ条件で検証する

前述でも何度かお伝えしていますが、現場と可能な限り同じ環境で実施することが第一です。より正確なPoCの結果を得るためには、現場に近い環境で実施する以外の方法はありません。 しかし、導入予定の現場で実装するのが難しい場合もあるでしょう。その場合には、別の場所に仮想の現場環境を作り上げてしまうことがおすすめです。

スモールスタートで始める

何事もそうですが、PoCもまずは小規模から始めるのがセオリーです。 例えばIoTと連携させたデータ収集システムであれば、まずは各センサーとLPWAの環境だけ準備して事務所内でPoC実施、という形でも十分でしょう。 最初に工場などの現場に実装してPoCを実施しても、もし失敗した場合は再度のPoCの日程調整に多大な労力を要してしまいます。小さな内容を一つずつ達成し、確実にPoCを進めましょう。

PoCが目的にならないようにする

PoCを続けていると、次第に当初の目的があいまいになっていき、PoCの実施自体が目的となってしまうことも。 PoCは「投資判断」が最終目的であることを肝に銘じ、最初にお伝えした費用対効果・技術的実現性・具体性の内容について、確実に進めていきましょう。


PoCはDXの第一歩

DX(デジタルトランスフォーメーション)を成功させたいとお考えの方も多いと思いますが、その第一歩はPoCです。PoCで検証された結果、効果や不具合をしっかりと分析し、本番環境ではそれを反映させることでDXが成功する可能性が高くなるでしょう。 DX自体の構想は壮大ですが、まずスタートはテストマーケティングやPoCなのではないでしょうか?



PoCで活用できそうな最新技術

PoCのプロジェクトにおいては、これまで使っていた既存の技術というよりも、使ったことのない新しい技術を使って実証実験をする方がメリットが大きいでしょう。 このパートでは、現在活用が進んでいる最新の技術をご紹介いたします。

AIなど人工知能や機械学習

スマートフォンの普及により、世界で発生するデータの量は膨大なものとなりました。いわゆるビッグデータです。 そうしたデータを人間の手で分析するのではなく、AIを使って分析し、新しいインサイトや解決方法を発見するという動きが盛んです。小売業界であればPOSデータやECで発生した購買データが分析元となります。 また製造業においては、生産ラインにおける不良品発見にAIの技術活用が進んでいます。これまで人間が目視でチェックしていたものを、画像診断技術を応用して自動化するというものです。画像診断技術については医療分野においても活躍が期待されており、様々な実証実験が進められています。

5G技術

2020年に各通信事業者から本格的に展開され始めた5G通信ですが、まだまだカバーエリアは十分ではない状況です。現在も5G通信の高速な通信を利用した様々な実証実験が行われています。また、製造業などで活用が期待されているローカル5Gについても、まだまだ普及段階とは言えず、PoCが盛んに行われています。



ドローンの活用

ドローンに関する実証実験については、テレビのニュースでも多く見かけるのではないでしょうか?特に活用が期待されているのが、物流業界においてです。 労働人口減少という背景から、ラストワンマイルの物流をいかに効率化するかということが課題となっており、それを解決する一つの手段がドローン技術です。


PoCの事例紹介


コクヨ株式会社様

コクヨ株式会社様では5G環境を活用した次世代のオフィスワークに関する研究を行っています。会議中などの表情や音声のAI分析により感情を可視化し、オフィスの環境改善による生産性向上や働く人の健康に繋げる検証を実施。




まとめ

今回は、PoCの目的や内容、PoCを進行させるうえでのポイントについてお伝えしてきました。 PoCの一番の目的は「投資判断」です。そのため、費用対効果の確認を重視しつつ、実現性や具体性の観点も含めてPoCを進めていきます。 しかしながらPoCを進めるうちに、システムの導入やPoCの実施自体が目的になってしまうこともしばしば。最終目的は、PoCの先にある「システムの導入によるコスト削減・業務効率化」であることをいつも念頭に置き、PoCに対応していきましょう。 また、PoCは可能な限り現場に近い環境で実施することが大事です。現場の人員も可能な限り巻き込み、効果的なPoCを実施していきましょう。


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