【25社調査】リテール業界向けCRMツールと採用事例

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コロナ禍で従来の訪問型営業の機会は減少し、より質の高い営業アプローチが求められています。そこで注目を集めているのが「CRM」。

いち早く導入を進めていた企業は「ムリ・ムダ・ムラ」を大幅に削減し、顧客のニーズにあった営業手法にシフトしました。その結果として、数倍の実績を出すなど、多くの成功事例が生まれています。

しかし、CRMをサポートするCRMツールの種類はさまざまで、どれを導入すべきか迷ってしまいがちです。そこで今回は、コロナで一層の販売の工夫が求められるリテール(小売)企業に特化し、人気のCRMツールと、採用している企業をまとめました。

CRMツールの導入を検討する際に、お役立てください。

リテール(小売)業界で活用するCRMツール

リテール(小売)業界では、顧客のニーズにこたえ、信頼関係を築くことが欠かせません。そこで、活用されているのが「CRM」です。CRMは「Customer Relationship Management」の頭文字をとった言葉で、日本語に訳すと「顧客関係管理」です。

CRMツールはCRMを実践する際にサポートするツールを指し、現在、スーパーやコンビニ、アパレルなど、リテール(小売)業界で数多く活用されています。顧客と関わりが深いリテール(小売)業界では、CRMツールを通して、顧客とのメールなどのコミュニケーション情報を蓄積しています。そして、顧客に合わせたニーズを提供することで、関係性を高めたり、顧客満足度をあげたりと、マーケティング上でも重要なツールになっています。

CRMツールごとのリテール(小売)業界採用企業

それでは、リテール(小売)業界の企業から選ばれているCRMツールを詳しくご紹介します。
人気のCRMツールの事例から、リテール(小売)業界の採用企業を25社ピックアップし、CRMツールごとに調査結果をまとめました。

※2021年8月10日現在の調査結果となります

Salesforce

全世界で15万社に選ばれているCRMツール。導入企業は平均+25%の売上げ拡大に成功、CRMツール以外にもマーケティングツール、Eコマース、カスタマーサービスといったソリューションが用意されており、要望に合った機能を組み合わせて最適なシステムを構築できます。

リテール(小売)企業の事例:
株式会社三越伊勢丹ホールディングス株式会社ビームス株式会社カインズアスクル株式会社マガシーク株式会社キヤノン株式会社アディダス株式会社バーニーズ ジャパンオイシックス・ラ・大地株式会社株式会社NTTぷらら(ひかりTVショッピング)株式会社インターメスティック(Zoff)アシックスジャパン株式会社株式会社ワコール

Zoho CRM

世界25万社で導入されているCRMツール。レイアウトの編集や、他社のアプリケーションやカスタマイズしたWebページをZohoCRMアカウントに組み込めるなど、柔軟性・拡張性が高いツールです。

リテール(小売)企業の事例:
株式会社Too

カスタマーリングス

EC通販ほかBtoC向けCRM/MAとして豊富な実績を持っています。顧客データ統合・管理・分析・抽出からメール/LINE/SMS/アプリ通知などの施策をを1ツールで実現。顧客データ/購買/来店履歴・CRM/MAツールのデータ統合を行えます。

リテール(小売)企業の事例:
株式会社サザビーリーグミズノ株式会社

kintone

開発の知識がなくても自社の業務に合わせたシステムをかんたんに作成できる、サイボウズのクラウドサービス。2万社以上に導入されており、東証一部上場企業のうち5社に1社が導入済みのシステムです。

リテール(小売)企業の事例:
アートネイチャー上海株式会社ジェイアイエヌKOKUYO VIETNAM TRADING Co., Ltd

BizXaaS®

BizXaaS®とは、NTTデータのクラウドサービスの総称です。商品・顧客・在庫・注文情報を一元管理し、チャネルをまたいだシームレスな購買体験を提供可能にします。オンプレミス型、クラウド型、どちらでも提供可能。

リテール(小売)企業の事例:
株式会社マツモトキヨシホールディングス

KARTE

マーケターのみでセグメント作成から施策実行が可能なCRMツール。人軸で行動や感情を可視化し、最適な施策へつなげます。

リテール(小売)企業の事例:
株式会社MonotaRO

eセールスマネージャー

徹底したサポートにて、導入から定着までの営業のDXを支援。95%が組織に定着、総合満足度No.1のツール。5500社以上に導入されています。シングルインプットでマルチアウトプット(一度の情報入力で全てに自動反映)が可能です。

リテール(小売)企業の事例:
株式会社プレコフーズ

Zendesk

全世界10万社以上が導入、国内大手企業の事例も多数。業界をリードするカスタマーサポートソフトウェアです。数々のアワードで最優秀賞を受賞。電話、メール、Webサイト、LINEなど、さまざまなチャネルから届いたお問い合わせを1つの画面でシンプルに管理。回答状況や優先順位も一目で分かります。

リテール(小売)企業の事例:
株式会社FABRIC TOKYOPioneer DJ株式会社

commmune

“テクノロジーの力で「企業とユーザーの間の距離・断絶」を解消し、すべての企業がユーザーと共創関係を構築できる社会を実現したい”との思いから開発。ノーコードで顧客ポータルを構築、申し込みから立ち上げまで平均4週間とスピーディーな対応が可能です。

リテール(小売)企業の事例:
株式会社アダストリア

CRMツール採用のポイント

続いてCRMツールを採用する際に、確認すべきポイントをお伝えします。
確認すべきポイントは、5点あります。

  • 導入目的の明確化
  • 必要な機能は搭載されているか
  • クラウド型かオンプレミス型か
  • 既存システムとの連携可否
  • セキュリティー対策はされているか

それでは、それぞれ詳しく解説します。

導入目的の明確化

まず1点目は、導入の目的を明確にすることです。
CRMツールはさまざまな種類がありますが、下記の3つに大別されます。

営業型

顧客や案件の情報を分析、プロセス管理や見込み客の開拓で受注率をあげる

フィールドサービス型

受付からサービス提供までを一貫管理して、顧客満足やサービス品質をアップさせる

コンシューマービジネス向け会員管理型

マイページやポイントなどの会員機能の提供や、会員に合わせたマーケティング、ロイヤリティマネジメントが可能

CRMは、多岐にわたる取り組みができるため、自社の課題に合わせたサービスを選ぶ必要があります。例えば、会員数アップや解約減数、成約率向上など抱えている問題を明らかにして、主な使用目的を決めてから種類を選びましょう。

必要な機能は搭載されているか

2つ目は、必要な機能が搭載されているか確認することです。CRMツールにより、利用できるサービスが変わるため、使いたい機能が搭載されているか確認する必要があります。

基本的に顧客管理や分析の機能は搭載されているので、その他の機能をみておきましょう。魅力的な機能も活かせないと意味がありません。搭載されている機能が多いものを選ぶのではなく、自社の課題解決に活用できるかを重視して選ぶ必要があります。

クラウド型かオンプレミス型か

3つ目は、クラウド型とオンプレミス型どちらの運用方法なのか確認することです。まずは、それぞれの特徴を知りましょう。

クラウドとは、インターネット上で必要なサービスを利用できる考え方をさします。ソフトウェアやサーバーを準備する必要がなく利用できることがメリットです。身近なもので例えると、クラウド型ストレージサービスでは「Googleドライブ」や「Dropbox」などがあげられます。これらは利用する際に何か物理的に用意するものはありません。それと同様に、クラウド型CRMツールも、導入の際に物理的に何かを用意せずとも使用できます。

一方オンプレミスとは、サーバーやネットワークなどを自社で設備導入や管理する、サーバー運用方法をさします。自社で運用するため、社内システムとの連携などカスタマイズがしやすいのが特徴です。

クラウドもオンプレミスと同じように、セキュリティー面で安全性を確保することは可能ですが、クラウド内でのセキュリティー対策のフレームワークを理解しておく必要があります。

また、クラウドとオンプレミスを比較するときに、意外に見落としがちなのが、会計や税務上の処理についてです。

クラウドを利用する場合は、設備を保有し管理するのはプロバイダー企業のため、基本的に経費として計上できます。しかし、クラウドの種類によっては、契約内容の違いで経費の処理が異なるので注意が必要です。

SaaS型

初期費用がかかるケースは少ない、月額利用料やプロバイダー契約料は費用として扱う

PaaS型・IaaS型

月額利用料やプロバイダー契約料は費用として計上、カスタマイズ費用(自社構築システムやアプリケーション)は無形固定資産として扱う

ただし税務上クラウドは、繰延資産として処理します。

また、オンプレミスを利用する場合は、申告対象の条件に該当する設備は償却資産となり、固定資産税として扱われます。購入したサーバーは、自社設備となり資産として扱うため、使用期間は減価償却の手続きをし、各年で費用分配しなければいけません。

既存システムとの連携可否

4つ目は、既存のシステムと連携できるのか確認することです。CRMツールによっては、既存のシステムと連携できます。社内で使用しているシステムと連携できれば、CRMツールを導入する際にスムーズに運用することも可能です。

既存のシステムとCRMツールが連携できるのかを確認して、導入後の運用方法を見据えておきましょう。

セキュリティー対策はされているか

5つ目は、セキュリティー対策がされているかです。CRMツールは、顧客管理に使われるため、セキュリティー対策が万全におこなわれているツールを選びましょう。例えば、マルチウェアの攻撃などで顧客情報が漏洩してしまったら、企業の損失は大きく、信頼を失う恐れがあります。

データの暗号化やアクセスできるデータの制限など、対策がしっかりおこなわれているのか調べておきましょう。

リテール(小売)ならではのCRMツール採用のポイント

それでは次に、リテール(小売)ならではのCRMツールの採用ポイントについて説明します。
確認すべきポイントは、3点あります。

  • 顧客からの問い合わせ対応の追跡しやすさ
  • 直感的に使えるか
  • 試したい施策が気軽に行えるか

それでは、それぞれ詳しく解説します。

顧客からの問い合わせ対応の追跡しやすさ

国際的に商品を販売している企業だと、問い合わせがあった際に別の国の担当者が対応し、また更に別の担当者に……とバトンタッチしていくケースも少なくありません。最終的に誰がどのように対応し、お客様の課題は解決したのかトレースできるようにすることでフォローアップを確実にし、顧客満足度の向上につながります。

また、お問い合わせを見える化することで、問い合わせ対応の負荷分散といった業務フローの見直しや、商品へのフィードバックの実現が可能になり、分析と改善に役立てることができます。

直感的に使えるか

CRMツールはマーケティング部門やエンジニアだけではなく、お客様への対応で忙しい営業・販売職の方にも主体的に使ってもらうものです。操作方法が特殊・複雑ですと、利用頻度が上がらずCRMツールの強みである即時性が失われ、結局メールでの上長報告のほうが早くなってしまいます。そのため、操作を覚える必要がなく、直感的にストレスなく使える、というのはCRMツール選定の上でとても大事になってきます。できれば導入前に、利用する方を集めて操作してもらい、意見を集めたほうがいいでしょう。

試したい施策が気軽に行えるか

動線やコンバージョン改善に一番手っ取り早いのはPDCAを回していくことなのはよく知られています。その際、追加開発や関係各所の承認が必要だと、なかなか気軽に施策を実施できなくなってしまいます。例えばA/Bテストのテンプレートが用意されていれば、Plan、つまり仮説立ての段階からすぐに取り掛かれるため、今まで以上に勝ちパターンの発見がしやすくなります。

まとめ

顧客管理や顧客満足度の向上、効率化した営業アプローチをしたいときに役立つのが「CRMツール」です。今回ご紹介したリテール(小売)企業の事例を確認し、どのように活用されているかを知れば、自社での活かし方見えてきます。また、導入目的の明確化や機能の使いやすさなど、CRMツールの採用ポイントをおさえれば、最適なツールを選べます。ぜひCRMツールを通して顧客との信頼関係を築き、実績アップにつなげてみてください。