CRMとは、「Customer Relationship Management」の略で、顧客情報や行動履歴を登録し、顧客との関係性を管理するものです。顧客との良好な関係を構築したりリピートに繋げるために使われるツールです。
CRMツールを提供している企業は数多く存在し、時代ともに新しい機能が増えています。特に、「生成AI」を活用した機能は、CRMツール各社が次々と発表しています。
この記事では、生成AIの機能を搭載されたCRMツールまとめ8選を紹介します。
CRMの導入や切り替えを検討している方は、ぜひ情報収集にお役立てください。
<目次>
代表的なCRMツールの生成AI機能まとめ
・Zoho CRM
・kintone
・Sales Cloud
・Sansan
・Microsoft Dynamics 365
・GENIEE SFA/CRM
・HubSpot
・Oracle
CRMとは
CRMはCustomer Relationship Management(カスタマー リレーションシップ マネジメント)の略語で、顧客関係を管理するシステムです。製品やサービスを提供する企業では、顧客との関係づくりが必須とも言えます。CRMを活用することで顧客の情報を整理でき、顧客ごとに最適なアプローチを取ることが可能になります。
現在はMA一体型CRMが主流となっていますが、活用次第では営業の業務効率化や顧客満足度にも繋がります。
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CRMの基本的な機能
CRMの基本的な機能をご紹介します。詳細は製品ごとに異なりますが、大枠としてはどのCRM製品も類似しているでしょう。
顧客情報管理
CRMでは顧客の情報を一元管理することが可能です。顧客の過去の購入履歴などの情報を管理するだけでなく、そこからデータをグラフ化したり、後述する最適なアプローチの提案などを行うCRMツールもあります。
営業支援
営業支援の機能はCRMツールによって異なりますが、取引先の場所を地図表示、日報作成、活動の自動記録などが挙げられます。CRMが自動的に営業してくれるわけではありませんが、営業に付随する業務を一部代行してくれるということです。
情報共有機能
CRMツールに情報を蓄積しておけば、他の人がCRMにアクセスした際に情報を確認できます。そのため、CRMツールは情報共有にも役立ちます。
マーケティング支援
マーケティング支援の機能はCRMツールごとに差が大きく、いろいろな機能があります。具体的には、メールのシナリオ作成・一斉送信、顧客の行動履歴からのおすすめすべき商品の提示、顧客情報から顧客としての価値を数値化、といったものが挙げられるでしょう。
代表的なCRMツールの生成AI機能まとめ
CRMツールは顧客関係の管理がメインの機能とご説明しましたが、他の機能も複数あるということでした。そして最近は生成AIの進化に伴い、CRMツールも生成AIの機能を利用して進化しています。ここでは、代表的なCRMツールの生成AI機能についてご紹介します。
Zoho CRM
Zoho CRMの生成AI機能では、顧客情報の重要部分の要約、取引の予測分析、パーソナライズされたメールの自動生成、文章の正誤判断などが可能です。メールの文面作成など事務的で手間がかかる作業を自動化し、また取引の予測分析のように人間が行うと精度に問題が出たりや個人差が大きくなったりする部分も生成AIで代行してくれます。
kintone
kintoneには「Smart at AI」という生成AI機能が用意されています。Smart at AIはkintone内でChat-GPTなどの生成AIが使えるものです。具体的な作業としては、文章作成、文章要約、一覧表の作成などが挙げられます。
Sales Cloud
Sales Cloudでは、生成AIの機能によって目的ごとの営業メールの自動生成、通話内容の要約などが可能です。営業メールはバリエーションが豊富で、短い簡単な挨拶メール、ミーティング提案メール、商品提案メール、などを自動で作成できます。顧客情報と今回の目的に合わせてメールを生成してくれるので単純作業の領域を超えて便利でしょう。
Sansan
Sansanでは生成AIによって3つの機能を実現しています。具体的には、「AI企業検索 -BtoB商材-」「議事録メーカー」「5分で読める決算説明」の3つです。
まずAI企業検索 -BtoB商材-は自社商品の情報を入力すれば、興味をもってくれそうな企業をリストアップしてくれます。
議事録メーカーは商談などの書き起こしを入力すると、生成AIによってテンプレートに沿ってまとめてくれます。
5分で読める決算説明は決算説明会の内容を書き起こし、企業動向を要約します。
Microsoft Dynamics 365
Microsoft Dynamics 365の生成AIは、Microsoft 365の各アプリに顧客情報を共有し、そのまま各アプリで文章などを自動生成することが可能です。現状はまだ英語版しか提供されていませんが、今後日本語にも対応していくと考えられます。
GENIEE SFA/CRM
GENIEE SFA/CRMはAIのアシスタント機能によって、商談音声の議事録作成、GENIEE SFA/CRMへの入力などが可能です。営業は関連する細かな業務に時間が取られ、本来やるべき営業活動の時間が減ってしまうケースは多いでしょう。
GENIEE SFA/CRMは営業活動をアシスタントすることで、人間は営業活動に専念できるようにすることが目的です。
HubSpot
HubSpotは生成AIの機能によって複数のことが可能になりました。具体的には、AI売上予測、AIアシスタント、AIエージェントなどです。まずAI売上予測では、HubSpotの予測AIと過去の販売データを使用し今後の売上を予測します。
AIアシスタントはマーケティング、営業、カスタマーサービスなどを全般的に支援する機能です。文章作成・画像作成・アイデア出しなどをサポートしてくれるので、単純作業を半自動化できます。AIエージェントはチャットやメールなどの顧客対応をAIによって自動化する機能です。
Oracle
Oracleでは売上向上のための生成AI機能を提供しています。生成AIでは、マニュアル作業の自動化、マーケティング、営業、カスタマーサービスのターゲティングなどが可能です。単純作業の自動化だけでなく状況に応じて最適な製品の提案などを行うので、直接的に営業成果アップに貢献します。
まとめ
生成AIが普及したことにより、CRMに生成AIが搭載されることが一般的になりました。CRMに生成AIを搭載することで、作業の自動化やマーケティングの最適化が可能になります。
その結果人間は営業活動に専念でき業務効率化に繋がります。またデータに基づいて最適な製品提案やターゲティングを行うため、営業成果も出やすくなります。
機能としてはどのCRMツールも類似しますが、具体的なスペックやロジックの詳細はツールごとに異なります。
技術トレンドでもある生成AIの機能を搭載しているCRMツールのまとめでしたが、いかがでしたでしょうか。
最適なCRM選定を行うための材料になれば幸いです。