【続編】フォトグラメトリー(ObjectCapture)を使って3Dモデルを作ってみた

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objectcapture

過去の記事で初めて「フォトグラメトリー」という物をご紹介しましたが、ご覧いただけましたでしょうか?
前回の段階でどうしてもできなかったこと、それはスニーカーの底面までデータ化することでした。今回の記事では改めて、スニーカーの底面まで含めて3Dデータ化することにチャレンジしてみました。

最初はうまくいかず、謎の3Dデータが完成・・・

作成方法はちょっとした撮影と、ObjectCaptureの特性をうまく使うということです。チャレンジ段階では上手くいかないこともあり、なぞの浮遊物ができたり、スニーカーキメラが誕生してしまったこともありました、、、。

(履く所にかかとが合成された謎のスニカーキメラ)

 

どのようにして底面を3Dデータ化したのか?

フォトグラメトリー(ObjectCapture)は前回の記事でもご説明した通り、複数の写真を合成して一つの3Dデータを生成します。各写真の特徴的なポイントを軸としてペアリングした上で3次元座標を構成すると、3Dのモデルが出来上がるわけです。
3Dモデルの作り方は前回のブログ記事で紹介していますので、そちらを見ていただけるとイメージが湧きやすくなるかと思います!

そんな性質上、もしかすると新品同様のきれいな靴だと特徴点が少なくなり、先程のようななぞのスニーカーキメラが誕生してしまうのでは?という仮説が浮上。そこで、長年履き続けた汚れの多い(特徴点の多い)スニーカーで再チャレンジしたのです。

結果、ちゃんと底面の3Dデータ化に成功

 

ご覧ください!無事にスニーカーの底面も含めて3Dモデル化することに成功しました。フォトグラメトリーで透明なものを3Dモデル化するのは苦手と言われておりますが、かかとのAIR部分もかなり実物に近く再現されています。

底面を含めた3Dモデル化にはかなり試行錯誤を要しましたが、最終的には撮影枚数を増やすのではなく、特定の写真を減らすことで成功すると分かりました。

フォトグラメトリーを長年研究している方たちの間では、特徴点の少ない物体のを3Dモデル化する場合、意図的に特徴点を増やして(マーキングやテープなどを貼る)ペアリングの手助けをすることはよくある手法のようです。

こんなものを3D化したら便利なのでは!?

ということで、これまでスニーカーを中心に3Dモデル化にチャレンジして参りました。EC普及率もどんどん高まり、ウェブサイトでの顧客体験が日々向上する中、商品画像ではなく、商品を3Dで見るというのが当たり前になるかもしれません。

果たしてそういった用途以外にも3Dモデルの使い道はないのか??
と、ふと思いついたのが「一点物、壊れやすいもの、思い出のようなもの」です。こうしたものを3Dモデル化し、デジタルアーカイブするのはどうでしょう。

今回テックファーム社員に協力をしてもらい、お子さんの作成した工作物を3Dモデル化してみました。けっこう大きくて場所をとる、、、でもせっかく子供が作ったものだし捨てるのも悪い、、、。結果として置きっぱなしでホコリを被っている、、、。

みなさまの周りにも、こんな品があるのではないでしょうか(笑)

そして実際に3Dモデル化したものがこちら。

 

かなりリアルに再現することができました。木目の感じや絵の具のかすれ具合など、かなり実物に近いものがあります。こうしてデジタル化しておけば場所もとりませんので保管に困ることはないでしょう。

将来的にはメタバースの世界にコレクションしておく、というのもありかもしれませんね。

まとめ

今回は前回の記事の続きということで、3Dモデル化における撮影ノウハウの進歩をお伝えすることができたと思います。
こうして日々技術は進化しており、私達の日常に溶け込む日もそう遠くはないはずです。これからもテックファームでは、先端技術をどんどんキャッチアップしてまいります。また何か面白い情報があればお届けできればと思います。