
ECサイトの売上拡大を図ろうにも、何から手を付ければよいか変わらず、以下の疑問を抱える方も多いでしょう。
- ECサイトの売上UPのために押さえるべきポイント
- ECサイトの売上UPに効果的な方法
ECサイトの売上UPには、ECサイトビジネスで特有の売上方程式を踏まえた施策の実行が重要です。
この記事では、ECサイトビジネスで肝になる方程式とともに、売上UPに寄与する具体的な施策を順に紹介します。
ECサイトで押さえるべき方程式
ECサイトの売上を効率的に増加させるには、ECサイトの売上を左右する要素で示される「方程式」を押さえておくことが重要です。
売上= 訪問者数 × 購入率 × 客単価
ECサイトの売上要素は3つに分解され、それぞれに対して適切な対策を講じると、売上高も高まります。3要素の具体的な内容は以下のとおりです。
方程式の要素 | 内容 |
訪問者数 | 自社のECサイトにアクセスしてきた顧客の数 |
購入率 | ECサイトにアクセスしてきた顧客数に対して、実際に購買行動に至った顧客の比率 |
客単価 | 顧客による1回の購買行動あたりの売上 |
売上UPを目指す際は、ECサイトにおける3つの要素の状況を把握し、テコ入れする優先順位を整理しましょう。
ECサイトの売上UPにつながる3つの要因
ECサイトの売上UPには、前述の方程式で示される3要素の数値を向上させる必要があります。
ECサイトへの訪問者数増加・訪問者の購入率・購入時の客単価向上を図る上で、重要な施策は3つにまとめられます。
- 集客施策
- ロイヤリティ向上施策
- データ分析と活用
各々の施策における具体的な取り組みを理解し、最適な活動を選択して、自社サイトを活性化させましょう。
3つの集客施策
ECサイトの売上方程式において最も肝心な要素は集客力であり、ECサイトへのアクセス数の増加は売上UPに直結します。購入率や客単価を高める取り組みも大切ですが、アクセス数が低迷していては、根本的な売上UPは困難です。
ECサイトへのアクセス数を増やす代表的な集客施策としては、3つの方法が挙げられます。
- SEO戦略
- Web広告
- SNS活用
ECサイトにおける顧客の特徴などを踏まえ、適切な施策を講じ、集客力を高めましょう。
SEO戦略
SEO戦略とは、Goolgeなどの検索エンジンでキーワード検索した際に、検索結果ページで上記表示を狙う取り組みです。キーワード検索結果ページで上位に表示されれば、購買意欲の高い顧客の自社サイトへのアクセス増加が期待されます。
キーワード検索をしているユーザーは、特定キーワードに関連する商品・サービスへの興味が高く、自社商品を購入する可能性の高い潜在顧客です。そのため、検索結果ページですぐに目に入る位置に自社ECサイトを表示できれば、サイトアクセス数やアクセス率が高まると見込まれます。
SEO戦略を講じて、購入可能性の高い顧客を自社サイトに引き寄せましょう。
Web広告
ECサイトの集客力向上には、Web広告の活用も有効な方法の1つです。
Web広告にはさまざまな種類があり、想定顧客の行動様式や興味・関心に合わせて使用すると効率的に自社サイトへの流入が見込めます。典型的なWeb広告として5種類が挙げられます。
Web広告の種類 | 広告内容 |
リスティング広告 | 検索結果ページに表示 |
ディスプレイ広告 | Webサイトやアプリのバナーやサイドバーに表示 |
リターゲティング広告 | 一度サイトを訪れたユーザーに向けて他サイトでも表示 |
ショッピング広告 | 商品画像、価格、店舗情報などの表示 |
SNS広告 | FacebookやInstagramなどのSNS上での表示 |
Web広告の特性を踏まえ、必要に応じて複数種類の広告も組み合わせながら、自社サイトの集客力を高めましょう。
SNS活用
SNS活用も、ECサイトへの集客を高める上で重要な施策です。なぜなら、SNSでは想定顧客に対してピンポイントにアプローチできるためです。
例えば、InstagramやX(旧Twitter)などのSNSにおいて、定期的な写真や動画などの投稿によるフォロワー獲得は、顧客候補の囲い込みにつながります。また、人気インフルエンサーに商品を紹介してもらえれば、普段は自社商品に興味を示していない方々も新たな顧客候補として取り込めます。
SNSは情報収集ツールとして定着しており、ECサイトへ誘導する入口の1つとして、集客施策の実施対象に加えましょう。
ロイヤリティ向上施策
ECサイトの売上拡大には、顧客のロイヤリティを向上させる施策も重要です。顧客ロイヤリティは、顧客のECサイトや商品に対する愛着や信頼と言い換えられ、ECサイトの利用率や購入回数の増加に影響します。
ロイヤリティを効果的に固める方法としては、以下の2点が挙げられます。
- ユーザー目線のUIUX
- 3Dを活用した新しい顧客体験
顧客ロイヤリティを高めて、ECサイトの売上を継続的に拡大させましょう。
ユーザー目線のUIUX
顧客のロイヤリティを高めるには、ユーザー目線での高いUI・UXが重要です。
UIとは、ユーザーインターフェース(User Interface)の略語で、ECサイトの使い勝手を指します。また、UXはユーザー体験(User Experience)の略で、商品・サービス購入後に得られる体験のことです。
UIが優れていれば、ECサイトからの離脱を防止しやすくなり、円滑な購入手続きで購入率の向上に寄与します。一方、高いUXを提供できれば、顧客のファン化が進みやすく、客単価が高まったり反復購入につながったりします。
つまり、ユーザー目線でのUI・UXの追求は、購入率や客単価の向上に貢献する取り組みです。
3Dを活用した新しい顧客体験
3Dを活用した新しい顧客体験は、従来のECサイトにおける課題の解決に役立ちます。なぜなら、ECサイト内で表示される製品が3D化されれば、顧客は商品の理解を深めやすくなり、購入意欲の向上につながると見込まれるためです。
例えば、家具や洋服などはサイト上の写真だけでは、商品の特徴を把握するのが難しく、実店舗に比べて商品の理解を深めるのは困難です。しかし、3D技術で立体的に商品を表示できれば、顧客は商品をより詳細に把握でき、不安なく商品を購入できるようになります。
3D技術を用いてリアルな商品体験をECサイトで再現し、返品率の低減や顧客満足度の向上を実現しましょう。
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データ分析と活用
ECサイトの売上UPを進める上で、収集されるデータの分析結果に基づいた的確な施策の立案・実行が重要です。従前に比べ、流行のサイクルが短くなるなど、過去の実績や経験が役立ちにくいビジネス環境になっており、現状の的確に捉える分析力が欠かせません。
データ分析や活用を進める上で、重要なテーマは3つに整理されます。
- 複数チャネルのデータ統合
- 見るべきデータの指標
- 機械学習を用いたデータ分析
効果的な施策を打ち出し、効率よく売上を高められるよう、データ分析・活用も積極的に行いましょう。
複数チャネルのデータ統合
自社で運営する複数チャネルのデータを統合し、活用できるシステム環境を整備しておくことは重要です。理由は、顧客を一元的に管理できるようになると、顧客の行動やニーズを総合的に把握でき、効果的なマーケティング戦略を立てやすくなるためです。
チャネルを統合したデータ管理のポイントは3つに整理されます。
- インターネット・アプリ・SNSだけでなく実店舗で収集された情報も統合
- 収集する情報はリアルタイムで反映し更新
- チャネルを横断し、単一の顧客として識別
データの一元化により、迅速な意思決定や個別化されたアプローチを進めましょう。
見るべきデータの指標
ECサイトの売上を高めるには、ECサイト内で得られる情報に基づく顧客の動きの把握・分析も大切です。サイト内における顧客の状況や動きについては、GA4(Google Analytics 4)で収集できます。
GA4で取得される指標の中で、特に注目すべき項目は以下の4点です。
- ユーザー属性
- コンバージョン(CV)率
- 経路
- 離脱率
集客力が高まっても購入率が高まらなければ、売上の拡大は見込めません。そのため、顧客の様子をGA4を通じて的確に捉え、流入した顧客が円滑に購買行動につながる最適な施策を講じ、効率的に購入率を高めましょう。
関連記事 CX向上へ導くために見るべきデータの指標
機械学習を用いたデータ分析
機械学習を用いたデータ分析は、GA4のような無料ツールだけでは提示されない洞察を得る取り組みであり、効果的な施策の立案に役立ちます。なぜなら、さまざまな大量のデータを学習した分析の仕組みであれば、将来の傾向や顧客の行動パターンの予測もできるためです。
例えば、精度の高い需要予測ができるようになれば、在庫量を継続的に最適化でき、欠品による販売機会損失を防ぎやすくなります。また、無駄な在庫を抱えなければ、キャッシュフローも健全化でき、財務面での自由度も高まります。
機械学習を用いたデータ分析を積極的に導入し、より効率的な売上UPを図りましょう。
まとめ
この記事では、ECサイトの売上UPを図る上で重要な方程式や、重要な3種類の施策と具体的な取り組みについて解説しました。
ECサイトビジネスの活性化には、サイト訪問者数を増やしつつ、購入率や顧客1人当たりの購入単価の向上が重要です。そのためには、集客力や顧客ロイヤリティの向上に努めると同時に、データに基づいた的確な施策の立案と実行も欠かせません。
自社ECサイトに最適な取り組みを選択・実行し、売上UPを実現しましょう。