企業デジタル化のメリットとは?DXとの違いについても解説

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デジタル化

業務効率化や生産性向上を目的にデジタル化を検討したり、導入したりする企業は少なくありません。実のところ、デジタル化が企業にどのようなメリットをもたらすのでしょうか?

デジタル化を最近話題のDXと混同している企業に向けて、デジタル化とDXの違いについて解説します。デジタル化に失敗しないためのコツもあわせて紹介するので導入に向けたヒントとしてお役立てください。

デジタル化とは何か?

そもそもデジタル化は、どのような意味を持つのでしょうか?デジタル化には、2つの概念があります。

一つには、アナログからデジタルへ変換するための取り組みとしてのデジタル化です。スマートフォンの普及以降、デジタルデバイスが生活へ浸透していくスピードは加速しました。公的手続きに使用していた紙の申請書がスマートフォンの操作による電子申請へとデジタル化が進んでいます。

さらに、デジタル処理されたデータを活用して業務改革を実施することも可能です。デジタル化は、デジタル処理されたデータを分析して、企業のマーケティング指標にも役立てられます。要するに、デジタル化はデジタル処理されたデータを将来のビジネス成長に必要な経営判断となります。

企業がデジタル化に取り組むメリット・デメリット

企業のデジタル化は、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。大きくは、デジタル化によるメリット部分として、業務効率化や生産性向上が考えられます。

メリット

デジタル化のメリットは、業務効率が進み、中でもデータの取扱い効率が高くなります。各種書類の収集や用途別にファイリングする作業が効率的に進められるでしょう。膨大なデータを一覧表示させたり、業界ごとに区分けしたり、人的対応では実現できない作業効率を見込めます。また、デジタル化によるデータ取扱いは効率化だけではなく、人的なミスが減り正確性も向上できるでしょう。

デジタル化は、いままで人的リソース不足が課題だった企業にとって、人手不足解消の役目を果たすでしょう。同時にペーパーレスが環境への配慮にもつながります。

さらに、デジタル化はクラウド環境を利用することにより、組織で情報共有が浸透できます。そのため、テレワーク普及の促進になるでしょう。デジタル化は、企業全体における契約手続きなどの手間も削減できます。

デメリット

デジタル化のデメリットは、企業が取り扱うITサービスなどの管理面における知識や経験を持っているかではないでしょうか。デジタル化は、利用するサービスのセキュリティ対策に取り組む負担が増えます。また、システム構築や準備にコストや時間が掛かることも考えられるでしょう。

サービス利用中に、故障やトラブルでシステムが止まることが考えられるため、ITに明るい社員が必要となります。IT人材だけではなく、社内の非IT人材の意識改革にも手間が掛かることが考えられるでしょう。

企業がデジタル化で成功するために必要な考え方

企業がデジタル化で成功するには、2つの考え方が必要です。2つの考え方を軸にしてデジタル化を進めることにより、企業にとって新しい価値の創出を実現させます。

業務効率化の先には付加価値が生まれる

デジタル化による業務効率化の先には、デジタルツールやITサービスに必要なリソースを見直せます。単なるアナログ作業のデジタル化による業務効率向上効果で止まってしまっては意味がありません。デジタル化後の商品やサービスに対して、効率化された部分を付加価値として新しいビジネスモデルへ活かすことが大事です。

見えないコストの削減こそ利益の創出になる

デジタル化は、見えないコストの削減につながります。一般的に企業は、見えるコストとして材料費や人件費の削減に目が行きがちです。見えるコストの削減は、一歩間違えると、従業員のモチベーション低下や製品の品質を下げてしまう可能性もあります。

デジタル化によるコスト管理では、見えないコスト部分になる業務の作業量や作業時間などに注目しましょう。たとえば、デジタル化による見えないコスト削減の事例として、三井住友銀行が見えない人件費の削減に成功しています。コスト削減のために取り組んだ方法は、次の3つです。

● ペーパーレス化:紙の書類や資料などをデジタル化して確実に機密文書を保存廃棄処理する
● アウトソーシングの活用:専門分野を外注委託して固定費を変動費に換える
● テレワークの活用:出勤や移動コストを削減して自社の働き方改革にもなる

出典:https://www.smbc.co.jp/hojin/magazine/accounting/cost-reduction.html

見えない部分のコスト削減は、オフィススペースの縮小化にもなります。結果的に、企業の課題となる利益の創出につながるでしょう。

デジタル化とDXが注目されている背景

デジタル化とDXが注目されている背景には、2つの問題が大きな影響を与えています。

2025年の崖が予測する日本

2025年の壁は、日本の企業が抱える大きな課題です。ビジネスの成長や競合優位性を強化するために、新しいデジタル技術の導入が必要であることは、周知の部分ではないでしょうか。

自社だけではなく、自社を取り巻く取引先や顧客環境においても、デジタル技術を駆使したデータ活用が進んでいます。具体的には、スマートフォンと連携したサービスが利用されやすくなっている状況です。

今後もAIやIoTを活用したデジタルサービスの需要が高くなる中、経営者が2025年までにデジタル化を進められなければ、日本経済全体で最大12兆円の年間損失と見通されています。2025年の崖で抱える日本の課題は、デジタル化とDXを注目させる要因となりました。

出典:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_01.pdf

少子高齢化による労働人口の減少

デジタル化とDXが注目されている背景には、少子高齢化による労働人口の減少も関係しています。日本では、年々人口が減少している状況です。総務省統計局の調査によると、2022年6月の概算値で前年同月より80万人減少しています。

少子高齢化では、平均寿命が延びて新生児の誕生が少なくなるため、働き手の減少が現実的な問題になるでしょう。その問題解決として、単純業務の自動化を目指したデジタル化やDXが注目されています。

出典:総務省統計局ホームページ
URL:https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html

デジタル化とDXの違いとは

デジタル化とDXの違いを理解するには、DXを理解する必要があります。

DXとは

DXは、デジタルトランスフォーメーションを略した「デジタル技術を活用してビジネスや生活環境を変革させる取り組み」のことです。つまり、DXは、デジタル化の持つ業務効率を向上させる目的だけではありません。デジタル化も含めて企業の事業価値や顧客体験に新しい価値を生み出すための取組みです。

デジタル化は、DXにとって導入の前段階となります。たとえば、デジタル化を目的に導入した書類の電子化から、新しいビジネスモデルを創出する取り組みこそがDXではないでしょうか。デジタル化は、次の段階を経てDXへつながるDXへの入り口的存在です。

● デジタイゼーション:デジタル技術を導入して業務効率化をはかるデジタル化への取組み
● デジタライゼーション:既存業務のデジタル化と別に新しい価値をデジタル技術で創造する取組み
● デジタルトランスフォーメーション:デジタル技術を活用してビジネスモデルや消費者の生活様式を変革させる目的を持った取組み

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デジタル化導入に失敗しない3つのコツ

企業のデジタル化には、失敗しない3つのコツがあります。

デジタル化の目的を明確にする

企業がデジタル化を実行するには、明確な目的を持つことが大事です。「どの課題を解決するためのデジタル化なのか」を組織全体で明確にしておかないと、社内において認識のズレが生じます。前向きに取り組む社員もいれば、非協力的な社員もいる状態では、デジタル化がなかなか進まないでしょう。

小さな取り組みを積み重ねる

デジタル化の導入は、小さな取り組みを積み重ねるイメージで進めることが大切です。いきなり大きなプロジェクトを企画するよりも、小さな成功体験の積み重ねにより、デジタル化による成功実績の理解を周囲に広げられます。

スタッフの使い勝手を優先する

デジタル化の導入では、導入するデジタルツールの優れている機能ではなく、スタッフの使い勝手を優先させましょう。実際に、現場で働くスタッフの意見は、重要です。スタッフの意見をフィードバックとして参考にしながら、自社に合ったツールを選びましょう。

手軽にデジタル化のステップを踏めるツールを知る

デジタル化で活用するツールでは、手軽にデジタル化のステップを踏めるツールが利用できます。とくに利用者の多いチャットツールなどは、デジタル化の入門としておすすめです。

Chatwork

Chatworkは、ビジネスチャットとして活用できるコミュニケーションツールです。アカウント数に制限がありますが基本的に無料で使えます。

Slack

Slackは、絵文字でのリアクションやグループ分け設定のできるチャットツールです。無料版と有料版が用意されています。

これらご紹介したチャットツールは、デジタル化を提案する際のヒントにお役立てください。

まとめ 〜デジタル化はメリット・デメリットを理解したうえで実行しよう〜

本記事では、デジタル化のメリット・デメリットとDXとの違いについて解説してきました。DX推進が進む現代では、DXの初期段階としてデジタル化の導入は避けて通れません。会社と関わりのある取引先や顧客がデジタル化していく中、デジタル化が遅れてしまえば取り残されるでしょう。

この記事で紹介したデジタル化に成功するための考え方と失敗しないためのコツをふまえて、小さな導入から始めてみましょう。