
今年も7月2日〜4日の3日間に渡って東京ビッグサイトで開催された「XR・メタバース総合展 夏」。
来場者数は、3日間の合計で38,840人が来場したと先日速報数発表がありました。
(参考:来場者数|XR・メタバース総合展)
本記事では、テックファームも出展した本展示会の様子をお届けします。
今回はXRデバイス統合管理ツールと、当社のソリューションを紹介し、大変有難いことに400名以上の方々にブースにお越しいただきました。
テックファームブースの展示内容
今回の展示会では、XRデバイス統合管理ツール「OneXR」と「XR × 先端技術でビジネス課題を解決」するソリューションとして、合計9つの展示を行いました。
- XRデバイス統合管理ツール「OneXR」
- 8つのXRソリューション
XRデバイス統合管理ツール「OneXR」
本展示会向けに、XRデバイス統合管理ツール「OneXR」を開発し、展示しました。
OneXRとは、複数のXRデバイスを一括で管理・操作できる統合管理ツールです。
研修や体験イベントなど、複数人が同時にVRなどを使用するシーンで、コンテンツのインストール・起動・停止・切り替えなどをPC一台から一元管理できるのが最大の特長です。
利用者の視点をリアルタイムで確認したり、体験内容を録画して振り返りや改善に活用したりと、管理者・利用者の双方にとって効率的で高品質なXR体験を実現します。
ワークショップ型XR研修デモ
ブースではマルチプレイ研修シーンを再現したデモを行っていました。
その名も「ワークショップ型XR研修」です。
複数人が同時にスタートした火災発生時の初期対応研修をリアルタイムで受講し、管理者がOneXRで一括管理をしているシーンを再現しています。
研修生役はMetaQuest3を装着したマネキンを登場させ、多くの来場者の目に止まり足を止めていただきました。
OneXRの活用シーン
OneXRはさまざまな現場で活用されています。代表的なシーンは以下のとおりです。
イベントや展示会での体験運用
機器の準備やコンテンツ切り替えがスムーズに行え、混乱や操作ミスを防止。来場者にストレスのない体験を提供できます。
VR研修での活用
管理者が全参加者の視点をモニタリングしながら進行。異常やトラブルにも即座に対応でき、安全かつ効率的な研修が可能です。
常設XRブースの運用
日常的に利用するブースでも、コンテンツの一元管理と再利用により、運用コストの削減と体験の質の安定化を実現します。
テックファームの8つのXRソリューション
デバイス統合管理ツールに加え、テックファームの強みでもあるXRと先端技術活用を組み合わせたソリューションを8つご紹介しました。
- 3Dデータ活用教育支援
- “感電”体験VR
- 3Dモデル化 - 製品・モノ –
- 3Dモデル化 - 広域 –
- ロケーションベースAR
- XR × AI
- AR/MRデバイス向け開発支援
- XR活用事例
3Dデータ活用教育支援
学生が3Dデータ活用スキルを習得するための「デジタル人材教育支援パッケージ」について紹介しています。
このパッケージは、機材導入からアプリ・プラットフォーム提供までをトータルでサポートするものです。「作る」「加工する」「利用する」の3つのフェーズにおいて、当社が担当する領域は、主に「作る」フェーズのドローンの自動航行を利用した大型物体のスキャンと、「加工する」・「利用する」フェーズでの3Dデータ総合プラットフォームを提供しています。
今回ブースにはソニーマーケティング様が提供する「空間再現ディスプレイ」を展示し、当社がドローンを使って撮影した建物を表示していました。
多くの来場者が足を止め、浮かび上がる画像を楽しんでいただけました。
“感電”体験VR
VRを活用した重大災害の“気づき”体験について紹介しています。
判断ミスが招く重大災害をVRで安全に追体験し、「なぜ起きたか」「何を確認すべきだったか」を考える機会を提供します。
こちらではMeta Quest3で導通チェックにおける、感電体験ができるデモを紹介していました。具体的な事故シナリオとして、導通確認を怠った結果、感電事故に至るシーンを再現しています。
来場者も“感電”ができるアプリに興味を持っていただき、多くの方が実際に体験されていました。
3Dモデル化 - 製品・モノ –
実物の3Dモデル化技術「リバース3Dモデリング」。AIや画像処理を用いて3Dモデルを生成することで、手作業による設計・造形の負担を軽減できます。
こちらではリバース3Dモデリング手法として代表的な「フォトグラメトリ」と2023年に登場した新技術「3D Gaussian Splatting」を紹介しています。
ECサイトでの3Dモデル活用事例として、アパレル商材の全身コーディネートを3Dモデルで再現し、イメージ乖離を軽減し顧客体験を向上させる事例も併せて紹介しました。
この事例では、3D Gaussian Splatting技術が活用され、多数のカメラによる一括撮影で撮影時間を大幅に短縮し、独自のビューワーでリアルな購買体験を提供している点が特長です。
3Dモデル化されたモノのサイト掲載イメージを知りたい方は以下でお試しください。
https://www.techfirm.co.jp/3dmodelsforxrsougouten
※ブースで体験デモとして紹介していました。
3Dモデル化 - 広域 –
ドローンで屋外空間を複数視点から撮影し、現場を高精度に3D空間化することで、構造物や地形をそのままの形で可視化することが可能です。
これにより、建設・土木・都市計画におけるシミュレーションや、文化財の記録・保存に活用が期待できます。
特に、滑走路や橋梁などの広範囲な構造物の3D点検、山間部や立入困難エリアの記録、広域農地や造成予定地の事前シミュレーションに最適です。
また、ドローン自動航行&運用技術についても、実証済みの運用技術で現場の3D化を支援し、点検作業の効率化と安全性向上、文化財など立入困難エリアの記録、高精度な測量・記録に対応できる点も強みです。
ロケーションベースAR
「AR付箋」を活用した現場伝達のスマート化について解説。AR付箋は、ロケーションベースAR技術を利用し、テキスト、動画、3Dなどのコンテンツを「指定した場所」に固定表示できる技術です。
これにより、利用者の視界に直接必要な情報を届け、現場の安全と効率を支えることが可能になります。
必要な人に、必要な場所で、伝わるべき情報が確実に伝達することを実現します。
XR × AI
AIを活用したデジタルヒューマンとまちづくりXRについて紹介しました。
AI感情認識をするデジタルヒューマンと3D生成技術を組み合わせることで、福祉、医療、教育、エンターテイメントなど様々な分野での没入感あるコミュニケーション体験を提供します。
まちづくりXRでは、デジタルツインを構築し、VR技術と組み合わせて住民参加型のまちづくりを推進。地域住民の防災意識を高め、災害時の適切な避難行動を支援するために、災害シミュレーションによる浸水/土砂災害予測、避難経路選定、避難所の適切配置、人流データ分析による最適な避難誘導計画などが可能になります。
AR/MRデバイス向け開発支援
こちらではAR/MRデバイス「MiRZA(ミルザ)」の開発支援と、MR技術を活用した体験型コンテンツについて紹介しました。
AIを活用した高精細な3Dモデル生成技術やビデオパススルー技術により、現実とバーチャルを融合させた高度なMR体験を実現できるとされています。特に、教育分野での体験型コンテンツとしての応用が可能であり、MRで出現したものを間近で観察したり、ハンドトラッキングで持ち上げたりできる点が特長です。
また、テックファームが携わった「MiRZA」のソフトウェアとインフラ開発、UI/UXデザイン支援、ホーム画面やプリインストール機能を含むソフトウェアとインフラ開発についても紹介しています。
こちらではApple Vision ProとNTTコノキューデバイス様が提供するMiRZAも展示していました。MiRZAは2024年9月に発表されたばかりで、初めて目にする方も多くいらっしゃいました。
XR・メタバース展にて、アプリ開発でお世話になったテックファーム(@Techfirm_jp)さんが #MiRZA を展示してくださっていました✨
ありがとうございます😊
製造業や教育関係をはじめ、様々な業界から #XR は注目されています👀 pic.twitter.com/qoNQmKhnZr— MiRZA【公式】 (@qonoq_devices) July 4, 2025
XR活用事例
最後に、XR技術の導入・検証事例を紹介しています。
VR × シミュレーション
結婚式場会場の装飾・レイアウトをVRで可視化することで、「その場にいる感覚」で完成イメージを共有し、打ち合わせ時間や認識のずれを削減し、実空間に近い没入体験を実現しました。
MR × ポップアップショップ
商品展示の「体験」と「効率」を両立させるMRの可能性を紹介しています。商品バリエーションを1スペースで表示し、設営・撤収の手間や在庫コストを軽減し、見るだけで楽しい体験を提供することができます。
3D化技術 × バーチャルツアー
実在空間をそのままオンラインで体験できるリアル体験ツアー。撮影画像から実在空間をリアルに再現し、Web上で移動・視点操作が可能な没入体験を提供することで、施設紹介やイベント公開に活用できます。
MR × 物流業務
物流業務を支える実用的なMR活用を紹介しています。積荷やピッキングをARで可視化して作業を支援し、経路案内や注意表示で現場の安全性を向上させ、ハンズフリー操作で確認・指示もスムーズに行える点が特長です。
まとめ
テックファームの展示内容をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
展示していた動画もこちらからご覧いただけます。