チケット不正転売の防止施策まとめ

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チケットの不正転売とは、アーティストやスポーツ観戦チケットなどが買い占められ、高い時は数十万といった高価格で転売されてしまうことを指します。

運営側は、チケットの電子化や顔認証システムの導入、SNS連携などによって、チケット取引の利便性を向上させると同時に不正転売を防止策を練っています。

しかしこれらのシステム導入には課題があるのも事実で、今後電子化をより進めていくにあたって解決していく必要があります。

不正転売防止策①デジタルチケット(電子チケット・デジチケ)化

デジタルチケットとは、スマートフォン上でチケット発券から入場までを行うことができるサービスを指します。事前に会員登録などを行い、電子チケットがスマホ上に発行される仕組みです。

表示されたQRコードを専用スキャナーに読み込ませたり、専用のスタンプでスマホの画面上に運営スタッフが押印することで入場できます。まずはこれらのサービスについて紹介します。

メリット

デジタルチケットには複数のメリットがあり、具体的には以下のようなものが挙げられます。

  • いつでも受け取り可能
  • 複数人のチケットを表示可能
  • 機種変更しても表示できる
  • チケットの受け渡しが簡単
  • 電子的に管理しているので不正の記録が残る

デジタルチケットは普通のチケットと違って物理的に受け取ったり提示したりする必要がありません。さらに物理的に存在するチケットのように、LINEやメールで簡単に受け渡しすることも可能です。

デジタルチケットは物理的なチケットよりも便利で、なおかつすぐに受け渡しできるなど物理的なチケットのデメリットも失っていません。そして電子的に管理しているので、不正を行った場合その記録が残ります。

主な電子チケットサービス提供企業

主な電子チケットサービス提供企業は以下です。

  • STORES』ストアーズ・ドット・ジェーピー株式会社
  • ticket board』株式会社ボードウォーク
  • EMTG電子チケット』株式会社エンターテイメント・ミュージック・チケットガード
  • LINEチケット』LINE TICKET株式会社

ストアーズ・ドット・ジェーピー株式会社の『STORES』は、演劇、ライブ、パーティ・イベント、勉強会、習い事、など様々なシーンで気軽に使えるチケット販売サービスです。チケットの作り方、使い方は簡単で、どちらも画面から直感的な操作でできます。

株式会社ボードウォークの『ticket board』は、チケットの発行、分配、ダウンロード、などをスマホ一つで簡単にできるサービスです。出品もできます。

株式会社エンターテイメント・ミュージック・チケットガードの『EMTG電子チケット』はチケットの申し込みから受け取り、当日のご入場まで、簡単便利にスマホ一台でできるサービスです。またチケットトレードサービスに力を入れており、行きたい人と譲りたい人で簡単にチケットを定価でやりとりできます。

LINE TICKET株式会社の『LINEチケット』は、LINEプラットフォームを活用した電子チケットサービスです。LINE IDを活用した転売対策、LINE上での主催者とユーザーのつながり、などLINEの機能をフルに利用したサービスになっています。

不正転売防止策②顔認証

チケットの転売を防ぐため、顔認証システムを導入しているイベント、施設が増加しています。

顔認証の流れ

顔認証の流れは以下です。

  1. 事前に顔写真を撮影してサイトなどで登録する
  2. 入場口に設置したカメラで顔写真に照らし合わせて本人確認を行う

このように顔認証の流れはシンプルで、自動化されています。運営側や利用客がやらなければならないことはほとんどありません。そして顔認証を導入することで、利用者にも運営者にもメリットがあります。具体的には以下です。

メリット

利用者のメリット

  • なりすましをする人が減り、治安が守られる
  • 一回顔登録すれば二回目以降は登録なしでスムーズに来場できる
  • チケットを買い占めるような人が減るため、チケットを通常ルートで入手しやすい

運営側のメリット

  • 写真同士を照合することで、別名義で使いまわされている写真を排除できる
  • システムの精度が高いのでアナログ認証よりも不正を防止できる
  • アナログ認証と違って手間と人件費がかからない

顔認証を導入することで、不正を防止しながら利用者、運営側双方の手間を削減します。

採用事例

顔認証システムはいろいろなところで導入されており、具体的には以下です。

  • 「ももクロ」の公演ほぼすべて
  • 「B’z(ビーズ)」、「ミスターチルドレン」、福山雅治さん、宇多田ヒカルさん、その他公演
  • ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
  • 東京ディズニーランド

東京ディズニーランドは2019年5月8日に導入されたため、現状顔認証システムの導入が進んでいることがわかります。

主な提供企業

株式会社テイパーズはエンタテインメント業界で縁の下の力持ちの役割を担っている企業です。具体的には、「チケッティング」「ファンクラブ運営・管理」「郵送物発送」「トランスポート」「倉庫運営・管理」「会場販売グッズ製作」「通信販売発送」などを行っています。
チケッティングでは転売防止、利便性向上などの目的で顔認証システム、入場時配席システムなどを導入しています。

不正転売防止策③SNS連携

SNS連携で不正転売を防止しているサービスでは、SNSから発券する方法を選択するだけで自動的にSNS連携ができます。利用者にとって難しいことはいっさいありません。

SNS連携するメリットは、チケットの所在を電子的に管理できるので不正転売を防止できる、SNSを通して発券会社とユーザーがコミュニケーションを取れる、などが挙げられます。

不正転売防止策④当日発券

当日発券にすることで、席の転売を防止できます。席がわからない状態での転売はオークションでも価格が上がりにくいため、それだけ転売機会が減ります。

今後の課題

チケットの電子化は利便性が高く不正転売防止にも役立ちますが、以下のような課題があります。

  • 初回はスタッフが慣れていない
  • パソコンやスマホに慣れていない高齢者の方が難しく感じてしまう
  • システム導入経費がチケット代に上乗せされる

現状はチケット電子化の歴史が浅いため上記のような課題が発生していますが、より一般化していけば操作の面での問題はなくなっていくでしょう。もともと扱いが難しいシステムではないため、慣れれば難しくはありません。

また導入経費についてもシステムの普及が進めばより安価で導入できるよう開発が進んでいきます。

まとめ

チケットの電子化は運営側、顧客双方の利便性を高め、不正転売を防止します。しかし今後トラブルが起こってしまうと信用を失い、電子化に対する問題意識が高まってしまうでしょう。

長期的に顧客との関係性を築くためには、優良顧客であるファンが求めるものをしっかり返す公平性のあるシステムが重要です。

テックファームでも、観客のお客様と運営側双方の結びつきを強化するソリューションを提供しています。今後もより使いやすく、セキュリティの高いシステムを構築が必要になっていくでしょう。