【上場企業研究】増えるマッチングサイトの成長要因は

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ここ十数年で急成長した領域の一つに挙げられる「マッチングサイト市場」。

SNSやスマートフォンの普及が追い風になり、今もなお右肩上がりの状況が続いています。

では、具体的にどのようなサービスが注目されており、その成功要因は一体どこにあるのでしょうか。

今回は4つの例に触れながら、その成長を実現した背景を見ていきましょう。

<目次>

増え続けるマッチングサイト

成長しているマッチング系Webメディア
ービスマッチング
例1. ITトレンド(BtoB事業マッチング)
例2. 楽待(投資用不動産のマッチングサイト)
人材・雇用マッチング
例3. インターワークス(製造業の求人サイト)
例4. MRT(医療分野の求人サイト)

マッチングサイトの成長要因とは

まとめ

増え続けるマッチングサイト

まず始めに、マッチングアプリやマッチングサービスの市場規模を見てみましょう。

国内オンライン恋活・婚活マッチングサービス市場を例に挙げると、その経済規模は2019年時点で約530億円(マッチングエージェント/デジタルインファクト調べ)。この他、会議室や駐車場といったスペースのマッチング、ライティングやプログラミングといった専門スキルを持った人材と仕事のマッチング、車やファッショングッズといったモノのシェアリングなど、さまざまなマッチングサービスが存在します。

これらの例のようにBtoC(消費者向け)・BtoB(企業向け)のマッチングサービスを広く含めると、その潜在的な市場規模は2兆円超におよびます。この規模感は、理美容や食品宅配の市場に匹敵するほどです。今後、マッチングサービス市場はデジタル時代の一大産業となることが予想されます。

マッチングの仕組みを有効活用して成長を続けるサービスとしては、次のようなものがあります。

成長しているマッチング系Webメディア

サービスマッチング

サービスマッチングは、特定のWebサービスやソフトウェア(SaaSなど)を探すユーザーに対して、比較・検索機能や一括資料請求といった利便性を提供するものです。最新のトレンドを踏まえながら、必要な情報を素早く取得できることがメリットといえます。

例1. ITトレンド(BtoB事業マッチング)

ITトレンドは、1,000万人以上が利用するIT製品の比較・検討サイト。

企業のシステム導入検討者が製品・サービスの比較検討を行う際に、複数企業へ無料でまとめて資料請求を行うことができるサイト。細かな製品カテゴリからサービスを探したり、資料請求数ランキングに沿ってサービスを選定したりすることも可能です。

例2. 楽待(投資用不動産のマッチングサイト)

楽待は、物件を持っているオーナーと不動産の個人投資家をマッチングさせるサイト。掲載件数は国内No.1となっており、まもなく7万件に迫る勢いです。

特徴として挙げられるのは、「学習→購入→運用→売却」といった4ステップに沿って、各種サービスや情報提供を行っていることでしょう。サイト上に掲載された「最低でも1年間は正しい知識を学んでから物件を購入することを推奨」というスタンスに基づき、「楽待新聞」というメディア上で豊富な基礎知識や解説コンテンツを展開しています。

人材・雇用マッチング

続いては、求人したい企業と働き手をつなぐ人材・雇用マッチングです。人材や仕事のミスマッチは、企業と働き手が抱える永遠の課題といえます。その課題に対して、専門分野を絞るなどして解決に挑んでいるのが、次のサービスです。

例3. インターワークス(製造業の求人サイト)

総合人材サービスのインターワークスは、製造業に特化した「工場ワークス」や、ドライバー系の求人を扱う「ドライバーワークス」といったマッチングサイトを運営。高収入の仕事や寮完備といった独自の切り口で、ユーザーと企業のマッチングを行っています。

例4. MRT(医療分野の求人サイト)

医療分野の求人を扱う「MRT」は、登録医師数約3万人の口コミが特徴。「検診・人間ドック」「美容皮膚科」といった分野別の特集から、短期で稼げる高額求人まで、きめ細やかな求人情報を提供しています。一方で、医師向けの登録特典として、独自のポイントシステムや賠償責任保険なども提供。マッチングを加速するための戦略的なサービス構築を行っています。

今回ご紹介したように、上場企業を運営母体とするケースも多いマッチングサイト。

その成功要因としてどのようなことが挙げられるのでしょうか。

マッチングサイトの成長要因とは

サービスマッチングや求人マッチングに限らず、インターネット上には様々な情報が溢れかえっています。それらを活用すれば、素早く多面的な情報が集まる一方、本当に自分が求める情報にたどり着くことは容易ではありません。

こうした状況を踏まえると、マッチングサイトの成長要因となっているのは「ユーザーが求める情報にたどり着けない」といった不便さを解消するための仕組み(プラットフォーム)にあるといえます。一見、「細かすぎるこだわり」と思えるようなユーザーの深層ニーズにこそ、マッチングサイトの新たな需要が存在しているのです。

まとめ

マッチングサイトの開設を検討するならば、各ユーザー(企業や消費者)の需要を的確に捉えるために「ターゲットペルソナの設定」を行うことが大切です。どのような悩みやニーズを抱えたユーザーが、どういった解決を求めているのか。こうした前提事項を整えて初めて、サービス提供のあり方を議論することが可能になります。

そしてその開発に際して鍵となるのが、サービスの戦略や設計段階から開発・運用までブレることなく、一気通貫で行うことです。

マッチングサイトに情報を掲載する広告主にとっての価値判断の基準となる、サイト自体の集客力やユーザビリティの高い管理画面。そして、マッチングサイトに訪れるユーザーにとっての価値となる、魅力的なUI/UXや、パーソナライズされたメルマガやレコメンドでの情報提供が重要となります。