ファンクラブの退会理由を調査!退会やロイヤリティ低下を防ぐ方法とは?

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コンサートの中止や観客数の制限など、エンターテインメント業界を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。そんな中、ファンのロイヤリティを高くする仕組みとしてファンクラブがありますが、中にはファンのロイヤリティ低下が起きてしまい、ファンクラブ退会者が増えてしまっているという課題をお持ちのご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこでファンクラブの退会理由について男女100名にアンケートを実施しました。なぜファンは退会してしまうのか、その理由に対策を打つことで、ファンのロイヤリティ低下を阻止できるかもしれません。今回はファンクラブを退会してしまう7つの理由をランキング形式でお伝えします。

ファンクラブの退会理由ランキング

【第7位】会員限定グッズが魅力的ではなかったから

ファンにとって大好きなアーティストのグッズを手に入れることは楽しみの一つです。中でもファンクラブに入会している人のみが購入することができる限定グッズというのは、期待値も高まるものですよね。
今回のアンケート結果では8%の人のみしか会員限定グッズについて不満をもっていないという結果になりました。ファンクラブ退会に関して大きな理由にはならないようです。

【第6位】問い合わせ時の対応が良くなかった、問題が解決しなかった

意外と盲点になりそうなのが、ファンクラブの問い合わせ対応についてです。会員証の紛失などトラブルが発生した際、問い合わせ対応に不満があったという声が11%ありました。
大きなファンクラブになるとコールセンターなどの業務はアルバイトの方が担当していることもあるようですが、トラブルを抱えて不安な状況で電話してきたファンに対して十分な対応ができないことによって、ファンクラブ退会を引き起こしてしまうこともあります。全体としての割合は小さいですが、外部委託で運営されているファンクラブのご担当者様は、改めて運用を見直しても良いのではないでしょうか。

【第5位】他に気になるアーティストやチーム・団体ができた

一部の熱狂的なファンを除いて、基本的にファンクラブの掛け持ちは予算的に難しいというのが一般的な意見のようです。
アーティストへの興味が薄れるというのは様々な要因があると思いますが、ファンクラブサイトへのログインが減っているなど、そうした兆候が見られる場合にはリテンション施策が必要になりそうです。

【第4位】会報誌やWEBサイトのコンテンツに満足しなかったから

会報誌に関しては、雑誌並みに充実したコンテンツを作り上げているファンクラブもあれば、非常に薄い会報誌が届いてがっかりしたという声もありました。また中には規定のスケジュール通りに届かないなど、楽しみにしているファンをがっかりさせていることもあるようです。
WEBサイトについては、現在ファンクラブコンテンツの主流となっており、様々な機能が登場しています。動画配信やラジオ配信、ファン同士が交流できるコミュニティなど、日々進化している中で、旧来通りのただの“お知らせ”だけにとどまっているサイトではファンは満足してくれません。

【第3位】更新手続きが面倒だった、忘れてしまったから

今でもファンクラブの更新にはコンビニや郵便局での振り込み手続きが必要になることが多いようです。サブスクリプション型のサービスなど、自動継続が主流になった昨今、ついうっかりファンクラブの継続を忘れてしまう、または直前に気づくも忙しくて行けなかったという人もいるようです。
殆どのファンクラブでは有効期限を過ぎてしまった場合でも手続きをすれば継続することができるようですが、手続きが面倒という理由から退会に至ってしまうケースがあります。

【第2位】入会していてもチケットが取れないから

ファンクラブ入会で圧倒的に多いのが「チケット入手確率を上げるため」という目的ではないでしょうか?多くのファンクラブで先行受付があったり、ファンクラブ限定ライブというのが行われています。しかし、非常に人気のアーティストになるとファンクラブ会員数自体が巨大化し、入会しているにも関わらずチケットが手に入らない状況が起きるようです。
各ファンクラブにおける抽選方法は公開されていませんが、現代のテクノロジーを使えば、過去の抽選履歴の結果などをアルゴリズムに反映させ、ある程度満足感を持ってもらえるファンクラブ運営も可能なのではないでしょうか?

【第1位】会費が高いと感じたから

「会費が高い」と感じるのはこれまで紹介した様々な理由が含まれている結果ではあると思いますが、中には結婚などをきっかけにライフスタイルが変化したことでファンとしての活動が減少し、ファンクラブの会費を高く感じるということもあるようです。
先にお伝えしたとおり、ファンクラブサイトへのログインが少なくなっている、チケット抽選の申し込みがされていないなどの兆候を捉えることが大切ではないでしょうか。


調査期間:2021年7月6日 調査方法:インターネット調査 調査対象:これまでに、アーティストやスポーツチーム、演劇・音楽団体などのファンクラブに入会していた経験があり、且つ退会経験がある男女100名 調査会社:アイブリッジ株式会社

ファンクラブ退会やロイヤリティ低下を防ぐ方法

いかがでしたでしょうか?大方予想通りのランキングなのかもしれませんが、ここで大切になってくるのが、それに対してどういった施策を打つかです。こちらでは簡単に対策方法を紹介します。

デジタルコンテンツの拡充

退会理由の第2位にもあった「チケットが取れないから」という声。
今ではコロナの影響で観客動員数は大幅に制限されており、これまで以上に人気チケットの競争率は高まっています。
その解決策の一つが、オンライン配信などのデジタルコンテンツです。オンラインライブには人数制限という概念がありませんので、チケットが取れないということもありません。2020年に行われたサザンオールスターズの無観客ライブでは、一度に18万人ものファンが同時に視聴しました。

適切なコミュニケーションを取れる仕組み作り

ファンの退会やロイヤリティ低下を防ぐために大切なことは、ファンとのコミュニケーションを適切に取ることです。その人に合ったコンテンツを適切なタイミングで届けることや、例えばファンクラブの更新時期を事前にお知らせするなど、ファンのことを思いやったコミュニケーションが必要です。
こうした考え方はCRM(顧客関係管理)と言えます。CRMとは、顧客(=ファン)を中心に考えてビジネスを展開し、利益の最大化を目指すマネジメントの手法です。「顧客関係管理」や「顧客管理」などとも言われています。ファンのことを正確に理解し、最適な戦略を打っていこうという取り組みを指します。
メール配信状況、問い合わせ状況、チケット抽選履歴、サイトへのアクセス状況など、ファンの状況を的確に捉えることでロイヤリティ低下を察知することができ、適切な施策を打つことができます。

継続課金機能

ファンクラブの更新忘れによって退会者が発生してしまうのは非常にもったいないことです。
そこはシステムを構築することで、自動的に継続課金する仕組みを作ることが可能です。年払い、月額払いなどの設定や、携帯キャリア決済など多様な決済手段に対応することで、ファンにとって最適な支払い方法が選択できるようになります。

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まとめ

ファンクラブ退会やロイヤリティ低下には様々な理由があることが分かりましたが、そのほとんどは対策ができることでした。まずは不満を持つ人が多い「チケットが取れない」という課題から順番に取り組んでいくのがいいのかもしれません。今回はインターネット調査という形でユーザーの声を拾いましたが、大切なのはファンクラブ会員の声をしっかりと聞き取り、それを運営に活かしていくことではないでしょうか。