2024年1月9日〜12日にラスベガスにて開催された、世界最大のテクノロジー見本市「CES 2024」。
今年は4,300社以上の出展、250以上のセッションが行われ、来場者は135,000人以上となり、大盛況に終わりました。(参考:CES 2024: The Global Platform Defining Our Future)
テックファームのグループ会社Prism Solutions Inc.の担当者がCES 2024に参加してきたので、ラスベガス地元IT会社目線でのレポートと正直な感想をご紹介します。(引用元:CES2024の正直な感想とレポート)
全体的な感想3点
- ここ数年続くが「ワォ!」とワクワクする製品はなかった
- 韓国企業の勢いがすごい
- 日本のスタートアップ企業がとても頑張っていた
毎年手分けをして見どころ製品の見落としが内容に回りますが、今年は3日目にわざわざ会場へ戻って見に行くべき!という製品は見かけなかった。日本からの多くのスタートアップ企業も頑張っていましたが、メイン会場のLVCCでも、中堅・スタートアップが集まるベネチアン会場でも韓国企業の勢いが凄まじかった。参加者も多いが、展示企業も大企業からスタートアップまでたくさん。勢いを感じました。
CES2024製品の6つの傾向
1.話題になっていた透けるテレビはイマイチ・・(個人の意見です)
有機ディスプレイ、ロール式に収納できるテレビに次いで出てきたのは「透けるテレビ」(正直な感想)透けるよりは以前CESで発表されたロール式に収納できるテレビの方が機能面で欲しいかな。でも今みたらLGのロールテレビは販売中止になっていました。
2.モビリティ(自動運転)関連はLiDARを取り入れたソリューションでいっぱい。
完全自動運転車の開発が進むのと同時に安全性を確保する為のLiDARの開発も急ピッチ。どの展示ブースでも、自社がどれだけLiDARを処理、活用して自動運転の安全性を確保するか大アピール
3.「におい」テクノロジーがあちらこちらに
複数のスタートアップさんも日本のSHARPさんも「嗅覚」テクノロジーが出てきました。映像と共に漂うにおいから、飲食物のにおいセンサーまで嗅覚テクノロジーがちらほら。
4.めがね、めがね、まためがね
スタートアップ企業から大企業までスマートグラスがあちらこちらにありました。一重にスマートグラスといっても日本企業のヴィクシオンさんのようなオートフォーカスするスマートグラスから眼鏡レンズ上に情報は地図を表示するスマートグラスまでカテゴリーは様々。
5.フィットネス・ヘルステックがいまいちの前身ぶり
ウェアラブルが大人気となった2019年頃フィットネス、ヘルステックはどんどんいろんな製品をだしていましたが、そこからのテクノロジーの前進があまり見られず。同じみウェアラブル、スマートヘルスメーターやEバイクがほとんど。
6.問題解決より、生活クオリティアップやエンターテイメントへ
生活が豊かになるにつれて、問題解決テクノロジーより生活のしやすさ、エンターテイメント力アップを目的としたものが増えてきています。より臨場感をアップさせるゲームやウェアラブル。より生活を便利にする日常のコンパニオンロボットなど。
日本企業の傾向
SONY、PANASONICさんは毎年同じロケーションでドンと構えています。今年は印象的にSHARPさんが例年よりもうんと頑張っていました。(ちなみに、SONYさんブースでアイボが見当たらなくなりました・・・SONYさんブースはとても広いのでアイボがあちらこちらで接客対応するのも楽しいなと思います!是非来年はアイボを!)
さて、大企業さんはもちろん毎年周りますが、私が一番楽しみにしているのがベネチアンエキスポ1のスタートアップ企業があつまるユーリカパーク内にある日本のテックのロジーパビリオン2つ。
一つはJTEROさん主催の「ジャパンパビリオン」、もう一つは展示系設営会社のクリエイティブビジョンさん(大阪商工会議所さんもサポート)の「ジャパンテック」。毎年どんな企業さんが来られているのかな?といつもワクワクしながら一社づつ伺います。
今年は例年よりもブースへの来場者が多かったイメージです。2つの日系エリアを回っての全体的は印象はこちら:
良かった点
CES来場者への説明、説明資料のクオリティが高かった。
たまに、良いアイデア、商品なのに商品説明がままならず、資料もプリント用紙とちょっともったいない!といった展示者さんもいらっしゃるのですが、今年は全体的に皆さん資料も説明も良い感じでした。
海外への販売準備が整っていて、すぐに商談へ進めそうな企業が多数あった。
ウェブサイトも日本語、とりあえずCESに出展してみた、またコストも値段もまだ決まっていないとう企業さんも結構いらっしゃったりするのですが、今年はソーシャルメディア上でフィードバックをもらって拡散している、既に海外からの発注があるのでコストはお伝えすることができるというReady to Market(明日にでも売れる)という企業さんが多くありました!
超円安にもかかわらず日本からの来場者が大勢!
惜しい!という点
・コンペについて、ポテンシャルの大手客先について、ターゲット市場(例:アメリカ消費者)についての情報が乏しいまま展示会でマーケットをされている企業ご担当者さんがちらほら。
・英語での説明と日本語での説明に違いがありすぎて、とても良い製品、ビジネスなのに肝心が中核が伝わっていない。英語と日本語で同じ方々から説明を聞く機会が幾度かありました。やはり、英語での説明となると、肝心な内容が伝わっていないということが多くありました。フルバイリンガルではない限り、是非「交渉」に関しては通訳さんをご利用ください。
ちゃんと理解してくれていればもうちょっと踏み入って興味を持ってもらえたのに、肝心な自社製品の特長が伝わらず来場者に勝手にこんな感じかなと想像で判断されて一言で通り過ぎられるのはとてももったいない!!
(おまけ)個人的にランダムに気に入ったもの
Hyundai (ヒュンダイ)の前後左右、360度に動く車
これは新しいコンセプトではないのですが、実用化に近づいているという意味で目にとまった製品。車の車輪が1本を軸に360度回転したり、左右どちらかの前後車輪が90度回転することにより横向きカニ移動ができたり。前輪45度傾くことによって斜め移動したり。もうそろそろ並列駐車はしなくてもよくなりますね(私的にはこの数十年間何故これが発表されなかったのかがとても不思議)
ワンちゃんモニター
このワンちゃんモニター「Zoomies ズーミーズ(ワンちゃんがいきなり走り回るあれ)」モニターもついているのがなんだか可愛いい。ペットちゃんが「今走り回っています」とか「お昼寝中」とかアラートが飛んでくる。
RCA社のマスコット犬
今はRCA社でもシンボルは今でもビクター犬。色も犬種も違うけれどかしこいゴールデンちゃん(写真左うしろ)がブースで頑張って働いていました。
ゴルフシミュレーター
これは完全な個人的趣味。ゴルフショップでつかるフォーサイトのシュミレーターシステム。「CES (コンシューマーエレクトロニクス」ということは「消費者用?」ときいてみると「そう! 自宅用だよ!150万円でかえるよ!笑」と。もうちょっとお手軽なものを出展してほしいです。(お試し中のおじちゃんは超真剣だったけど池ポチャでした)
目の不自由な方サポートチャリティ団体のブース
これは目の不自由な方が音声ガイドでナビゲートできるようにする杖とアンテナステッカーのセット。簡単なソフトウェアツールで設定を済ませたアンテナとなるステッカーを受付あたりに貼ると、セットの杖と連動したイヤピースなどから「ここが受付です」と音声ガイドが流れる。
目の不自由な方は日常生活上一人で出歩くことが難しく、家からあまり出ない方も多く、就業もとても難しい。それが故、効果なハイテク視覚サポート機器を個人で購入することは難しいとのこと。そんな問題を解決しようとこのチャリティ団体が設立されました。(ちなみに、ブースの話で発覚したのは「点字表示には誤りが多くあり、あまり意味がないことが多くある」ということ)
彼らはこの杖xステッカーxソフトウェアをセットとして目が不自由な方個人に売るのではなく、ビルや施設、企業に販売をすることで目が不自由な方への経済的負担を軽減しつつ、サポート体制を作り上げるというのが目標。
以上、CES2024の正直な感想とレポートをお届けしました!来年は是非いらっしゃってください。
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