
世界最大級の画像素材マーケットプレイスShutterstockがNVIDIA Researchが開発した「Edify 3D」の技術を活用している点に注目が集まっています。
この技術を活用して、クリエイティブな3Dコンテンツ制作を効率化し、次世代のデジタル制作環境を提供しています。
本記事では、Edify 3Dを活用しているShutterstockについて、実際に使用してみた感触とともに解説していきます。
<目次>
ShutterstockとEdify 3Dの連携
・生成AIによる効率的な素材生成
NVIDIA Researchの「Edify 3D」とは
NVIDIA Researchが開発した「Edify 3D」は、生成AIの技術を活用して3Dアセットを生成できるツールです。自身で用意した画像からの3D生成に加えて、プロンプトと呼ばれるテキストから3Dアセットを生成します。そのスピードはわずか2分ほどであるにも関わらず、高品質な3Dアセットを合成、生成することができます。
高品質のアセット生成は、ゲームやエンタメ業界だけでなく、製造業のシミュレーションなどでも幅広く活用されています。
しかし高品質の3Dアセットの生成は専門知識の必要性だけでなく、厳しい制限のある制作基準の壁があります。
ビジネスシーンの活用ではいかに効率化が求められるかが重要ですが、Edify 3Dで実現する可能性を秘めています。
ShutterstockとEdify 3Dの連携
冒頭でも説明した通り、画像素材マーケットプレイスのShutterstockがNVIDIAのEdify 3Dの技術を活用していることで、多くの注目が集まっています。
生成AIによる効率的な素材生成
Shutterstockは、Edify 3Dを使用してリアルタイムで高品質な3Dモデルや画像を生成。これにより、従来の制作プロセスに比べて作業時間を大幅に短縮し、クリエイターにとって革新的なツールとなっています。
Edify 3Dの特徴
Edify 3Dの特徴を3つ上げていきます。
カスタムデザインの柔軟性
ユーザーが独自のデザインニーズに応じて、3Dオブジェクトや画像のスタイルや詳細を調整可能。これにより、ブランド特化型の素材制作が可能になります。
コンテンツの安全性と商業利用
Shutterstockのライセンスを使用しNVIDIA Edify生成されたコンテンツは商用利用として安全であることを保証され安心して利用できるとしています。
クリエイターコミュニティの強化
Edify 3Dを導入することで、クリエイターはより多様なツールを使用してユニークな素材を作成できるようになり、クリエイティブな可能性が広がります。
実際に使ってみた
実際にためした所、非常に高品質だったのでご紹介します。
プロンプトには、「a cowboy hat with a sheriff badge(保安官バッチのついたカウボーイハット」と入力してみました。
非常に出来の良いポリゴンでした。
すでに用意されている画像からの3D生成も問題ありませんでした。
まだ何も手を加えずに。とはいかないかもですが、簡単に生成できメッシュの品質も高い為、今後の発展に期待したいです。
NVIDIAの3D生成に関する取り組み
NVIDIAの3D生成に関する取り組みは、Shutterstockだけではありません。
同じく、画像素材のマーケットプレイスのGetty ImagesはGenerative AI by Gettyを企業向けにカスタム ファインチューニング機能を導入しています。
これは企業のブランドガイドラインやスタイルから離れることを防ぎ、さらに画像の生成速度を2倍にしています。
また2024年の1月のCESでEdify を利用したインペイント用API をリリースしました。これは3Dアセット内のオブジェクトを追加や削除、置換をし、クリエイティブキャンバスを拡張するためアウトペイントも可能とします。Gettyimages.com と iStock.com で利用ができるようになっています。
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まとめ
Shutterstockの新しい機能を試すとともに、NVIDIAの取り組みにも触れながら説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
国内の活用事例もまだ少ない状況ではありますが、活用していく中で3Dアセット生成の効率化は重要な課題となります。
Shutterstockは、この技術をさらに進化させることで、ユーザーがより簡単に3Dコンテンツを利用できる環境を構築するとともに、NVIDIAとの連携を通じて生成AI市場でのリーダーシップを強化することを目指しています。
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参考出展:NVIDIAブログ – Edify 3D