
人の性格を表す際、「あの人は職人気質」なんて言ったりします。社内の身近な人、もしくは上司や部下にも、仕事に一切の妥協を許さず、自分にも他人にも厳しい職人気質の人って1人や2人はいるのではないでしょうか。
職人は自尊心が高く、頑固というイメージもあり、マネジメントが難しいと言われています。それでは、どのように接していけば良いのでしょうか。本記事では、職人肌の人の性格を理解しながら、上手なマネジメントのポイントをご紹介します。
職人気質な人の性格的特徴
そもそも、職人気質な人とは、どのような人のことを指すのでしょうか。基本的には社交的なことを苦手とする傾向にあり、自分が取り組みたい仕事や趣味に没頭する方を好みます。幅広く手を出すというよりも、ひとつのことを「狭く深く」集中して行うタイプです。職人の性格的特徴としては、以下のことが挙げられます。
プライドが高い
自分が手掛けている仕事そのものや、それまでに積み上げてきた自分の腕にプライドを持っていることは、一つの大きな特徴です。そのため、自分の仕事に対して他人から指図を受けたり、マイナスの評価をされることを人一倍嫌がります。
その反面、お世辞を嫌うという特徴もあります。仕事に対して褒められることも求めず、仕事はできて当たり前と捉えていることが多いです。総じて、プラスであれ、マイナスであれ、評価されることを好まない性質の人たちだと言えます。
気難しい
「自分の仕事を評価してほしくない」この特徴からも表されているように、職人気質な人は気難しいところがあるのも事実です。プライドが高く、褒められることを嫌い、細部にこだわりを持っているなど、気難しいと言わざるをえません。それだけ、自分が手掛けてきた仕事に対して誇りを持っているということなのでしょう。
自他ともに厳しい
どんな仕事であっても、完璧にこだわっています。そのため、手抜きを嫌います。それはつまり、「自分に厳しい性格」と言い換えることができます。どれだけ小さなミスであっても、厳しく自分を責め立てます。そして、その厳しい目は他人にも向けられます。すべての人が同じ基準でなければ気が済まないのです。
根気強い
どうしても気難しいイメージばかりを想像してしまう職人気質の人ですが、彼らがそこまでの技術を習得してくるまでには長い下積み期間があったはずです。普通の人であれば根負けしてしまうようなことでも、職人気質の人は粘り強く物事を成し遂げようと努力してきた人たちです。そのため、苦労の時間も耐え忍べるといった特徴があります。
職人気質を活かす接し方とは?
もし部下や上司に職人気質の人がいたとしたら、どのように接しますか?仕事の流儀は人それぞれですが、チームで仕事をしていかなければならないことがほとんどです。その中で、彼らをどのようにマネジメントすれば成果が出やすいのでしょうか。ここでは、職人気質な性格を最大限に活かすために心がけたい接し方をご紹介していきます。
プライドを傷つけない
どれだけ高度なスキルを持った人であっても、ミスすることもあります。普通の人であれば、慰めることで解決します。しかしながら、職人気質の人に対して同じ対処をすれば、彼らのプライドを傷つけることになりかねません。ミスや間違いを犯したときは、少し距離を置き、放っておくようにしましょう。
お世辞は不要
他人とコミュニケーションを取る方法として、褒めるという手段があります。前述した通り、職人気質の人たちは自分の仕事を誰かに評価されることを嫌います。つまり、お世辞やゴマすりも不要です。本当に「凄い」と感じていても、余計なことは言わず、その人の仕事ぶりに羨望の眼差しを注ぐ程度にとどめておきましょう。
観察して手本にする
先ほども少し触れましたが、職人気質の人に対して余計な口は不要です。つまり、仕事について興味本位で聞くこともあまり好ましくありません。彼らの仕事ぶりを参考にしたければ、じっくりと観察することです。仕事への取り組む姿勢から、ミスを防ぐための工夫、事後のチェックなど、学ぶべき点は観察しているだけで多く見つかるはずです。
信頼する
職人と呼ばれる人たちは、これまでに数々の試練を乗り越えてきています。その過程というのは、私たちの想像を絶するものです。難しい仕事を依頼した際、「本当に大丈夫かな?」と不安に思うのではなく、彼らの経験を信頼してみてください。余計な口を挟むことなく一度すべてを任せ、信頼されていることを感じてもらうことが重要です。そうすることで、理解者として認識してもらい、その後も一緒に仕事がしやすい関係性を構築しやすくなります。
上手なマネジメントは「向き合うこと」から
相手が職人気質の人間に関係なく、マネジメントの方法に共通することは、相手の性格と向き合い、その性格に合わせて対処してあげることです。どれだけ熱意を見せたとしても、それを相手が望んでいなければ無意味になってしまうこともあります。まずは、しっかりと一人ひとり向き合ってみることから始めてみましょう。