新OS 新機能と開発考慮について(Android Oreo / Ver.8.00)

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Googleが8月22日に正式発表した最新モバイルOS「Android 8.0 Oreo」。今回もさまざまな機能追加がありました。本記事では、本バージョンから使えるようになった新機能に加えて、開発する際の注意点をまとめました。アプリのアップデートなどにご参考になれば幸いです。


1 新機能について

1-1 Push通知の確認に新たな特色

従来では、上部から通知センターをざっと下ろしてPush通知の内容を確認していましたが、今回からは、アプリアイコン長押しでも確認できるようになりました。

1-2 Notification チャネル

また、これとは別にNotification チャネルが新たに加わりました。Push通知の通知手段が細かく設定可能になってカテゴリ単位で重要度や通知音、通知ランプ、バイブ、ロック画面への表示の有無といった通知内容・方法を細かく設定することが可能になったのです。

ユーザによるPush通知機能からの開封率の向上やエンゲージメント強化の仕組みとも言えるでしょう。マーケティング活動においても上手に利用してゆきたい世界ですね。

1-3バッテリー持ちの改善や起動時間の短縮などを実現

Android Nougat からの比較として、大きな特徴・進化点のひとつは、OS側で省電力に向けた制御を実装したことです。また、起動時間が短縮しており、電源オンからホーム画面が現れるまでにかかる時間や、アプリの起動にかかる時間が短くなっています。全体的にも動作のなめらかさが出ていますので、是非機会があれば体感してみてください。

1-4 Wi-Fi Awareをサポート

「Wi-Fi Aware」は、ルーターなどを介することなく、近くにいるデバイスを発見したり、小さなデータの送受信をすることを可能とする通信仕様です。最大100~200mの範囲で、混雑した場所でもそこにどんなデバイスがいるのかを把握することができます。「ニンテンドー3DSのすれ違い通信と同じ」という表現はイメージし易い世界ですが、この他にも、ビーコンやGPSと違う手段での新たな位置情報サービスとなる大きなポテンシャルも秘めています。只、iOSと比べOS別シェアが広く分布しており、6割以上のバージョンシェアは2年以上にも跨っているので、活用の広がりにおいては継続ウォッチと言えるでしょう。

1-5 ピクチャー・イン・ピクチャー

動画をホーム画面でも小窓で再生できる「ピクチャー・イン・ピクチャー(PIP)」機能。別のアプリを起動してる時でも動画を視聴することができます。Android TVではAndroid 7.0からだったものがスマホにも移植されました。

1-6 Smart Text Selection

テキストコピー時に、指でなぞって選択して上手くいかず煩わしかったテキスト選択。住所や電話番号部分についてはダブルタップで簡単に選択できます。

1-7 ロック画面にショートカット

Android Nougat のロック画面では、左下に音声検索、右下にカメラのショートカットが表示され、ショートカットをスワイプすると、ロック画面からアプリを起動できる仕様でした。今回は新たに、インストール済みアプリと各アプリが持つショートカットを登録することが可能になりました。

1-8 パスワードの自動入力機能

ログイン情報の自動入力をサポートするオートフィルフレームワークが追加され、カンタンに自動入力機能をアプリに追加することができるようになりました。Chromeのパスワード自動入力と同じような機能です。

1-9 新しい絵文字

絵文字が完全刷新されて新しいデザインになります。さらに、60以上の新しい絵文字も追加されます。

この中だと、コルナ、メイロックと呼ばれる手のポーズ(人差し指と小指は立て、親指、中指、薬指はたたんだ状態)のものが新しい。

1-10 Bluetoothオーディオの品質向上

ハイレゾクラスの音質をワイヤレスで転送できます。Qualcomm社の『aptX』と『 aptX HD』。ソニーの 『LDAC』。夫々のコーデック(圧縮技術)をサポート。特に『LDAC』は、ハイレゾクラスのBluetoothオーディオコーデックで、マスター音源さながらの品質に迫ります。標準以下の品質のBluetoothオーディオにうんざりしている人にはうってつけのバージョンアップです。

2 従来アプリの考慮ポイントについて

2-1バックグラウンド実行制限

バッテリー持ちの改善の観点から、新OSでは、プログラムが活動中でないアプリは、スリープさせてしまう制限を追加しています。また、位置情報取得についても一律受信頻度に制限がかけられます。従来アプリの制御としてアプリ起動をしていなくても、アプリ内の機能をバックグラウンドで実行させておくことが従来は比較的自由に出来ていたのが制限されるようになったのです。

位置情報を継続して取得するようなアプリでは、従来入手できていたデータログ・検知精度においても新OS環境下では影響が考えれます。またサーバサイドのシステムが想定している頻度と、アプリが求める頻度のアンマッチによる悪影響の発生も考えられますのでご注意ください。

2-2 サーバ通信の仕様変更

ネットワークと HTTP(S) 接続の動作にも複数の変更点あります。大きな変更ではありませんが、念のための確認が必要です。

  • SSLv3サポートの削除:SSLv3に依存したサービスがないか?
  • 安全ではない TLS/SSL プロトコル バージョンのフォールバック (古いバージョンでも黙認する迂回行為)は実施しない。:古いライブラリの仕様が残っていないか?
  • OS内に用意されているネイティブライブラリの取扱いにおいてセキュリティ基準(writable/executableなsectionを含まない)を満たしているか?

等となります。


以上です。
それではよりAndroidライフを。