DX時代の新規事業はデジタル活用が重要!立ち上げのポイントを解説

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新規事業

「以前は好調だった既存ビジネスが縮小傾向にあり、会社の将来が心配…。」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
いつの時代も企業の新たな柱を作るために、新規事業の立ち上げは重要です。

近年はデータとデジタル技術に基づくDXが各企業で推進されています。
DXに伴って、新規事業の立ち上げ方にも変化が見られるようになってきました。
本記事ではデジタル時代における新規事業の立ち上げ方について、分かりやすく解説します。

<目次>

新規事業の立ち上げはなぜ必要か?
企業が永続的に発展するため
企業の中核となる人材を育成するため
新しいノウハウが蓄積する

新規事業を立ち上げる6つのステップ
新規事業のアイデアを出す
市場調査を行なう
事業計画を立案する
事業を開始する
見直しと改善をする

新規事業立ち上げ時のフレームワーク
アイデア出し:ブレインライティング
アイデア出し:アイデア出し:マンダラート
アイデア出し:市場調査:ポジショニングマップ
アイデア出し:市場調査:SWOT分析
アイデア出し:事業計画:AISCEAS

DX時代の新規事業の立ち上げ方
データに基づく市場調査を最速で行なう
アジャイル開発でMVPをつくる
グロースハックを行なう

まとめ

新規事業の立ち上げはなぜ必要か?

新規事業の立ち上げは、様々な課題に直面し、失敗して徒労に終わることもあるなど、労力がかかる仕事です。しかし、業績が好調な企業であったとしても、新規事業を絶えず立ち上げていくアクションが必要だといえるでしょう。まずは新規事業の立ち上げが必要となる理由を確認していきます。

企業が永続的に発展するため

ITやデジタル技術が急速に発展し、私たちの生活は以前と大きく変わりました。私たちの生活だけでなく、企業を取り巻く経済や市場も変化が激しくなっているといえるでしょう。市場ニーズの変化が速いことから、プロダクトライフサイクル(PLC)が短くなってきていることも、現代の特徴です。

これまで勝ち組だった企業が、半年後には負け組になってしまうことも珍しくはなく、常に次のヒット事業を考えることが必須となっています。
企業が永続的に発展していこうと思うのであれば、新規事業の立ち上げは必要不可欠だといえるでしょう。

企業の中核となる人材を育成するため

企業活動では「ヒト・モノ・カネ」と呼ばれる3大リソースが重要です。

その中でも人材であるヒトは企業の将来を左右するほど、大切な存在だといえるでしょう。日本では少子高齢化の影響もあり、人材の確保が年々難しくなってきています。

ジョブ型雇用など新しい雇用形態も広がりつつあり、人材の流動化も激しくなってきていることが特徴です。新規事業の立ち上げは、人材の経営者視点を養うためには最適な仕事であり、「会社から新規事業を任されている」という責任感を感じることもできることで、従業員エンゲージメントを高めることにも繋がります。新規事業の立ち上げは、企業の中核となる人材育成に繋がる仕事だといえるでしょう。

新しいノウハウが蓄積する

これまでにない事業にチャレンジするということは、新しいノウハウが社内に蓄積されるということです。
既存事業の延長線上で永遠とビジネスをしていては、決して新しいイノベーションは起こりません。新規事業にチャレンジしているプロジェクトは、もはや別の会社と言っても良い程の新しいことに接触しているのです。

新規事業を立ち上げる6つのステップ

新規事業のステップ

それでは実際に新規事業を立ち上げるためには、どのようなプロセスが必要なのでしょうか?
一般的な新規事業の立ち上げ方法を具体的な6つのステップにしましたので、それぞれ解説します。

新規事業のアイデアを出す

成功している大きな既存事業であっても、最初のスタートは小さなアイデアからです。
新規事業は小さなアイデアを、なるべく多く集めて議論することが重要だといえるでしょう。
アイデア出しの段階では、自社と全く関係ない業界であったとしても否定せずに、アイデアを出していくことが大切です。
後述するフレームワークも活用しながら、多くのアイデアを出していきましょう。

市場調査を行なう

持ち寄ったアイデアから、事業のタネを見つけた後は、実際に市場やユーザーニーズの外部環境調査を行います。
アイデア出しの段階では魅力的だと思った事業であっても、市場が小さく成長する見込みもないのであれば、事業として成立しません。
市場調査では勘や経験に頼らず、データを用いて結論を出すことが大切です。
事実に基づいた市場調査を行い、アイデアを新規事業に近づけていきましょう。

事業計画を立案する

アイデアと市場調査により、新規事業にできそうなものが見つかれば、実際に事業計画を立案していきます。
新規事業はサービスに提供価値はあるのか、他社と比べて優位性があるのかどうか、収益化できるのはいつ頃かなど、具体的にシミュレーションしていくことが
新規事業を始めるメリットや収益性など、経営層を納得させるプレゼンを行い、新規事業の立ち上げを勝ち取りましょう。

事業を始める

新規事業が経営層に承認されれば、いよいよ新規事業をスタートさせます。
新規事業は立ち上げがゴールではなく、事業が収益に寄与して初めてゴールだといえるでしょう。
事業開始直後は、特に大きなトラブルが起こることも多いので、常にウォッチが必要です。

見直しと改善をする

新規事業が軌道に乗るまでには時間がかかりますので、常に見直しと改善が大切だといえるでしょう。
実行した新規事業の微調整を行いながら、収益化できるまで粘り強く改善を行います。
市場は常に移り変わっていますので、常に市場調査を行い、データに基づき軌道修正を行うといった柔軟性が必要不可欠です。

新規事業立ち上げ時のフレームワーク

新規事業を立ち上げる際は、頭を整理するためのフレームワークを用いることが効果的です。
新規事業立ち上げ時のフレームワークについて、代表的なものをいくつか確認していきましょう。

アイデア出し:ブレインライティング

ブレインライティング

新規事業の立ち上げが成功するか否かは、アイデアの数で決まると言っても過言ではありません。

ブレインライティングと呼ばれるフレームワークは、アイデアの数を出すためには最適です。
ブレインライティングは少人数のグループを作り、決められたテーマで、複数行あるシートにアイデアを埋めていきます。
空欄が無くなるまで、グループでシートを回すことにより、多くのアイデアを出すことが可能です。
ブレインライティングの特徴は発言せずにシートを埋めていくということでしょう。
発言が苦手な人からでもアイデアを集めることができるフレームワークです。

アイデア出し:マンダラート

マンダラート

メジャーリーガーの大谷翔平が実践したことでも有名なマンダラートも、新規事業のアイデア出しには有効です。
マンダラートは9つのマスを使って、アイデアを出していきます。大谷選手が実際に書いたマンダラートはこちら
中央のマスにメインのアイデアを書き、そのアイデアを実現するためのことを周囲8つのマスに記入していくフレームワークです。
メインアイデアの発想を広げることができるので、新規事業の発掘に繋がるかもしれません。

市場調査:ポジショニングマップ

ポジショニングマップ

市場調査にもフレームワークが活用できます。
ポジショニングマップは縦と横の2軸から成る図表に、自社と他社の製品やサービスを配置するフレームワークです。
ポジショニングマップを作ることにより、ターゲットとなる市場で、自社と他社の立ち位置を視覚的に理解することができます。また、空いているスペースを狙えば、他社との差別化が可能となります。

市場調査:SWOT分析

swot

SWOT分析も市場調査では有名なフレームワークの1つでしょう。
Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)という4つの項目で、自社製品やサービスが該当する要素を列挙していきます。
SWOT分析は市場での自社の立場や競合の状況を明らかにするために、重要なフレームワークです。

事業計画:AISCEAS

aisceas

AISCEASは事業計画を立てる上で、重要となるフレームワークといえます。
Attention(注意)、Interest(興味)、Search(検索)、Comparison(比較)、Examination(検討)、Action(行動)、Share(共有)の頭文字を取った考え方で、インターネット上でのユーザーの購買心理プロセスを表したものです。
これから立ち上げる新規事業が、ユーザーの購買原理に則るものであるかどうか見極めるためにも、AISCEASは重要だといえるでしょう。

DX時代の新規事業の立ち上げ方

新規事業を立ち上げるために、これまで重要視されてきたフレームワークを実施することはもちろん重要です。
しかし、デジタル時代を生き残っていくために、時代に合った取り組み、つまりDXを意識することが大切だといえるでしょう。
デジタル時代の新規事業の立ち上げ方について解説します。

データに基づく市場調査を最速で行なう

インターネットやSNSが普及したことにより、誰でも手軽に情報へアクセスできるようになりました。
そのため、ユーザーニーズは多様となり、常に変化していると言っても過言ではありません。
勘や経験が頼りにならない時代になっており、これまで以上にデータを最大限活用することが求められているといえるでしょう。
データを活用する場合は「データは生もの」ということを頭に入れることが大切です。
常に変化するニーズに対応するためにも、データを用いての市場調査は最速で行うことを意識しましょう。

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アジャイル開発でMVPをつくる

デジタル時代の新規開発はアジャイル開発が主流です。
アジャイル開発は機能単位の小さなサイクルで開発工程を繰り返す手法で、ニーズや仕様変更に柔軟に対応することができます。
アジャイル開発で作り出したMVP(Minimum Viable Product:実用最小限の製品)をリリースし、フィードバックを受けるというループを繰り返すことで、事業を改善していくことが可能です。
TwitterやInstragramも、元はMVPとしてリリースされました。
ニーズが常に移り変わるデジタル時代において、アジャイル開発やMVPによる新規事業立ち上げは有効な手段だといえるでしょう。

グロースハックを行なう

グロースハックは市場の動向やユーザーニーズを商品開発の段階から研究し、マーケティングにも取り入れる手法です。
グロースハックにおける新規事業では、商品やサービスを成長させるために、改善施策を同時に行います。
商品やサービスをまずリリースし、その後に改善を続けていくというのがグロースハックの特徴です。
デジタル時代特有のユーザーニーズの急変化に対応するためには、グロースハックは必要不可欠だといえるでしょう。

まとめ

新規事業の立ち上げは、いつの時代でも企業が永続的に発展していくために必要です。
IT技術が発達しデジタル時代となった現代においては、新規事業をスモールスタートさせて、常に改善をしていくというスピード感が大切だといえるでしょう。
企業の未来を明るいものとするためにも、ぜひ新規事業の立ち上げにトライしてみてください。