新OS 新機能と開発考慮について(iOS11編)

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こんにちは、マーケティング部です。

日本時間9月20日、Apple社がiOS11を正式リリースしました。iPhone8とiPhone8Plusについてはすでにお手元にある方も多いのではないでしょうか。

既存OSとの違いはもちろんたくさんありますが、本記事ではiO11の新機能と開発で考慮する点にフォーカスを当ててご紹介します。すでに自社アプリをリリースしている方など、新OSへ対応する際の注意点として、お役に立てば幸いです。


1 新機能について

1-1 カメラアプリにQR読取機能がバンドル

販促ポスターにQRコード。従来では読取専用アプリダウンドードのひと手間があったせいで期待値半減の取り組みでしたが、新OSでは、QRリーダーがカメラにバンドルされます。頻度の高いカメラからスムーズな連携が可能なので、コンバージョンの飛躍的な向上が見込めそうです!QRコードで、アプリダウンロード促進、サイネージ広告から関連WEBサイトを表示、Wi-Fiルーターの接続設定を読み込ませる・・等など、活用用途は様々。これを機に今一度、マーケティングアプローチをご検討みては如何でしょうか?

1-2 写真アプリもバージョンアップ

画面の録画(音声記録も可能)機能が搭載されました。
画面操作の過程を録画し、動画として写真アプリに保存することができます。
ユーザ操作の録画記録や、操作案内への活用など、業務用途の中でも工夫次第で便利な機能になりそうです。

1-3 ARKitでAR(拡張現実)アプリ開発をサポート

不動産・車・家具などの販売サポートとして一役担うようになったARアプリですが、iOS11では開発者向けのフレームワーク『ARKit』を新たに用意しています。Appleとしての精度が見込まれ、より活用の幅が広がりそうです。
但し、デバイスは、iPhone6s以降での対応なのでご注意を!

1-4 マシンラーニング環境を実装

Appleは、AI環境をOS内に用意しました。『CoreML』というもので、学習モデルを取り込みアプリに伝える枠組みです。これは、別途新規で提供される,『Vision』『Foundation』・『GameplayKit』と連携し、それぞれ画像認識・言語認識・ゲーム内の環境を計算を提供して
ゆくものです。GoogleAPIのローカル版のような世界ですね。通信いらずのローカル処理ですので、(一方容量とメモリ消費電力は発生・・)取り組みの選択肢の大きな一つになりそうです。

1-5 Siri® バージョンUP

言語翻訳に対応(英語から中国語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・イタリア語に翻訳)。学習機能も強化(好みを予測して提案する機能、アプリ間連携強化)しています。

1-6 コントロールセンターがカスタマイズ可能に

上方向にスワイプすると表示されるコントロールセンターがカスタム可能に。さらに長押し 3D Touch利用で、最もスムーズなアプリ操作の実現が叶います!

1-7 運転中の「おやすみモード」

車を運転していることをモーションセンサーで把握、電話、メッセージなどで運転中のことを自動的に通知する機能です。カーナビとBLE通信していた場合は、きちんとハンズフリー会話になります。

1-8 片手でもタイピングしやすいキーボード

キーボードの左側にある地球儀マークを長押しすると呼び出せる『QuickTypeキーボード』。キーボードが親指側に寄ってくれて、より入力がし易いです。

1-9 ファイル アプリ新登場

iCloud Drive & Dropbox も含めファイルをまとめて管理できる『ファイル』アプリが新登場。

1-10 For iPad

マルチタスキング機能
アプリケーションの切替がより簡単に!iPadの画面上で、フォト、テキスト、URL等なんでもドラッグしてドロップも出来ます。

1-11 Apple Pencil®

紙に書くのと同じくらい自然に、メモをすばやく書き留めたり、 アイデアをスケッチすることができる新たなデバイスです。


2 iOS 11 & 新機種・旧機種/考慮ポイントについて

2-1 32ビットアプリケーションは完全非対応

Appleはしばらく32ビットアプリと64ビットアプリの両方のサポートを続けてきましたが、iOS10では動作しなくなる旨を警告に留めていた内容が、いよいよ新OSではサポートを完全終了となります。2015年6月以前Apple申請済みのアプリで、未だバージョンUPしていないものは注意が必要です。

  • 今後64bit非対応アプリはStoreから落とされる可能性あり
    • 長い間Updateがないアプリ(ほぼ32bitだけ対応のアプリ)は、App Storeから削除されるケースもあるようです。
  • アプリ開発時への追加考慮も
    • 利用するライブラリ(汎用プログラム)において場合によっては32bit/64bit向けと夫々の環境下でサポート出来ているかの考慮も必要があります。

2-2 iOS11 非対応端末も発生します

iPhone 5、iPhone 5c、iPad 4の3機種は、 32bitデバイスであることから新OSは非対応となります。国内市場ではデバイス利用状況とアプリ提供時期を捉えながら、アプリケーションの機種のサポート範囲を整理してゆく必要があります。

2-3 新端末 iPhone x への考慮

下記のように、iPhoneとiPhone Xではフルスクリーン時のアスペクト比が違います。

デバイス名 画面サイズ 画面解像度(px) アスペクト比
iPhone X 5.8 inch 2436 x 1125 2:1
iPhone 8 Plus/ 7 Plus/ 6s Plus/ 6 Plus/ 5.5 inch 1920 x 1080 16:9
iPhone 8 / 7 /6s / 6 4.7 inch 1334 x 750 16:9
iPhone5/5S/5c/SE 4 inch 1136 x 640 16:9

重要なフルスクリーンのグラフィックなどでは、2種類のアスペクト比で素材を用意する必要があります。また、グラフィック的なコンテンツによる全体構図の再整理や、表示可能な情報量が増えることによるナビゲーションボタンの位置配慮などUI整理においても検討が新たに必要となってゆきます。


以上です。
それでは、よりAppleライフを。