物流倉庫の人手不足を解消している7つの最新IT活用事例

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

近年のネット通販の隆盛も一員となり、深刻な人材の不足が叫ばれている物流や倉庫業界。

この窮地を脱するための光明として注目を集めているのが、AIやIoTをはじめとした様々なテクノロジーの導入です。

先日1月28日に発表された富士経済による市場調査結果によれば、ロボティクス、IoT、AI等をキーワードとした次世代物流システム・物流サービス市場は、2025年に3兆8,743億円(2017年比89.1%増)に達する予測となり、当面は拡大が続くとされています。

そこで本記事では、物流・倉庫の人手不足を解消している最新テクノロジーの活用事例を7つピックアップしてご紹介していきます。

※本記事でご紹介する内容は、各社のプレスリリースやWEB上の情報をピックアップしてまとめた記事となっており、弊社の事例ではございません。あらかじめご了承くださいませ。

物流の”運ぶ”人手不足を改善するIT活用事例

日本では物流にかかるコストの6割が輸送のフェーズで発生していると言われています。そして、この輸送を担当するドライバーの人手不足が深刻化しています。

ここでは、ドライバーの代わりとなり得る新しい技術、ドライバーの生産性を上げるIT活用事例をみていきましょう。

ドローンでラストワンマイルを配送、Amazon Prime Air

Amazon Prime AirはAmazonが発表したドローンでの無人輸送サービスです。ドローンによる無人配送を目標とし、Amazonは30分以内の配送を最終的な到達点としています。

日本企業でも、セブン・イレブン、日本郵便、楽天などがドローンによる無人輸送を試験的に実施しています。

しかしドローンで配送できるのはラストワンマイル、小売店や倉庫から消費者までの短距離輸送、そして一定重量の範囲内の荷物のみ。まだ課題は多く残っているものの、長距離輸送が可能になることで物流業界の人手不足が緩和されると予想されています。
(参考:Amazon WEBサイト

2022年にはトラックの無人隊列走行が実現する?

国土交通省と経済産業省は豊田通商などに委託し、2019年の1月22日から2月28日にかけて、新東名高速道路でトラックの無人隊列走行実験を行っています。

イギリスなどが先駆けて実用に乗り出しているこの無人隊列走行はプラトーニングと呼ばれ、先頭のトラックにドライバーが乗車して運転することで、後続も一定間隔を空けて追走するというものです。

新東名高速道路で行われている実験では、安全のためにまだドライバーが乗車していますが、2020年には無人で実験を行い、2022年には商用化を目指しているようです。
(参考:経済産業省WEBサイト

動態管理×カーナビで配送量アップとドライバー負担軽減

都内の某印刷会社では、スマホをベースとしてドライバーの位置情報や作業状況を把握する動態管理、最適なルートを示してくれるカーナビを導入し、配送の効率アップを実現しています。

印刷物のルーティン配送と新規納品先も入れると1日100件以上も回っていたドライバーのスケジュールをシステムで管理し、リアルタイムで状況を把握したり、ナビによってお客様の元への正確な到着時間を把握できるようになりました。

その結果、さらに細かなスケジュール管理ができるようになり、新しい納品先の当て込みがしやすくなり、配送効率が上がったのです。また、ドライバーの負担となる日報作成についても、ナビに一日の動きがデータとして残っているので、わざわざ作成する必要もなくなりました。

トラック入場予約システムで荷待ち時間を削減、大和ハウス工業

物流業界の人材不足の話題で度々上がってくるドライバーの待機時間の課題に対して、大和ハウス工業はトラックの入場予約システム・オンラインチェックインシステムを導入しています。

物流倉庫に到着する前に、ドライバーや運送業者がWEB上でトラックバースを予約し、倉庫側で時間調整をして予約を完了さることで、ドライバーの平均荷待ち時間を約70%削減します。また施設到着時の受付は、トラックから降りずにシステムで済ませることによって、発生しがちなバース待ちの渋滞緩和にも繋げるといった効果があります。
(参考:大和ハウス工業WEBサイト

倉庫内の作業員の効率を上げるIT活用事例

ここからは倉庫内や倉庫周辺に焦点を当てて、人手不足の大快作としてITが使われている事例をご紹介していきます。

大量の商品を保管する倉庫内の業務は、細かく複雑なことが多く、正確な管理が肝となります。そうした業務特徴の中、作業の難易度を下げ、未経験者でも簡単に業務を遂行できるようにすることが、作業効率改善の大きなポイントとなっています。

RFIDをキーに倉庫全自動化、ファーストリテイリング

アパレル業界ではRFIDの導入によって業務効率を大幅に改善している事例が次々と出てきています。

中でも、ファーストリテイリングは倉庫の省人化を進めていることで有名です。すでにマテリアルハンドリング機器大手のダイフクと戦略的グローバルパートナーシップを結び、有明倉庫にて先駆けて自動化を進めています。

生産段階で商品にRFIDを付け、生産から物流、販売までを一貫して管理し、さらには入庫・検品・保管・出庫・封函・方面別仕分けなどの作業を機械が人に代わって行なっています。人が手を動かすのはピッキング作業のみで、必要とされる作業員が10分の1に減ったと言います。
(参考:ファーストリテイリングWEBサイト

無人搬送ロボットでピッキング作業員の移動を激減、ニトリ

ニトリホールディングスと物流子会社ホームロジスティクスは、大阪の通販発送センターで商品棚ごとを移動させるロボット「バトラー」を導入しています。

従来のピッキング作業では、作業員が倉庫内の該当の棚を探し、そこまで行き、必要な商品をピッキングするものですが、歩き回る労力と時間を省略してくれるのが「バトラー」です。作業員は作業ステーションにいれば、ピッキング対象商品が格納されている棚ごとが届き、そこでピッキングできるのです。このロボットと仕組みで、作業効率は約4.2倍アップしたとのことです。
(参考:ホームロジスティクスWEBサイトButler®販売代理店GROUND WEBサイト

音声認識によるハンズフリー作業で作業ミス軽減

音声認識システムを用いて作業の効率を改善する事例も出てきています。作業員はイヤホンをし、そこから聞こえる指示を受けながらピッキングを行ったり、数量や商品名の音声入力を行ったりするものです。紙や端末のリスト表やハンディを持たずに両手で作業が行えるため、効率が高まります。

携帯端末を扱う某物流倉庫では、こういったシステムを導入し、目視と聴覚の両方を用いて作業を行うことによってピッキングミスの軽減にも繋げています。また、精密機器を扱う上で、片手ではなく両手を使って作業することで、製品の落下による破損件数も減少しています。

まとめ

物流・倉庫でのテクノロジー活用について、国内の先行事例を中心に紹介してきました、どれも一昔前では考えられない光景です。

これから更に技術が進歩し、それと比例して人手が必要とされる仕事を減少させることが可能となっていくでしょう。そして、人はより創造性の高い仕事に集中し、ビジネスの発展を加速させる役割を担えるようになっていきます。

今回は最新テクノロジーを用いた事例を主に紹介しましたが、様々な課題を解決する様々な規模感や価格帯のソリューションが存在します。状況に合ったITの導入を進めて、人材不足の解消や効率化を図ってみるとよいでしょう。