今注目の「eスポーツ」とは?日本では2018年が元年!

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「eスポーツ」という聞き慣れない単語が最近話題を呼んでいます。

オリンピックの正式種目にもなる可能性があると騒がれるこのeスポーツ、具体的にはどのようなスポーツなのでしょうか?

この記事ではeスポーツの正体について徹底解説し、これまでのヒストリーも交えてご紹介していきます。

eスポーツとは

正式にはエレクトロニック・スポーツと呼ばれ、簡単に言うと、電子機器を通して行うゲームのことです。

eスポーツは、スポーツの陸上競技のくくりに近しいです。

「陸上競技」というスポーツジャンルの中に、「やり投げ」「長距離走」「400mリレー走」といった趣の違う競技が含まれているのと同じように、「eスポーツ」というくくりの中に「FPS」「カードゲーム」などの競技が存在します。ゲームセンターで見かけるアーケードゲームも、eスポーツの一つです。

人気のあるeスポーツは、運ではなく戦略性の高さや熟練度によって勝負の差が開くといった特徴があります。つまり、プレイヤーのスキルが勝敗に大きく影響するのです。

また、電子機器を通して戦うからこそ、公平性があります。人間が審判を務める大半のスポーツではミスが起こりえますが、電子機器の判定を通すeスポーツにおいては八百長も誤審もありえないのです。

この公平性や競技性の高さから、オリンピック競技種目としての協議対象に加わるほど、eスポーツは一つのスポーツとして認識されるようになりました。最終的にはまだ正式なオリンピック競技種目としては選ばれていないものの、2018年開催のアジア版オリンピック、アジア競技大会では、デモンストレーション競技として採用されています。

eスポーツの歴史

では、eスポーツがここに至るまでどのような歴史を歩んできたのか、重要な出来事をピックアップしてみていきましょう。

1980年
初めてコンピューターゲームが登場。当初から人気を博し、数多くの大会が開かれました。

1990年
日本では筐体を使った格闘ゲームなどが大流行。今でもゲームセンターにおいてありますね。

2000年
eスポーツという言葉が使われ始め、実質初めての世界大会となるWorld Cyber Games Challengeが開催されます。

2003年
中国が99番目の正式体育競技としてeスポーツをカウント。日本を除くアジア圏はこのころからeスポーツの強豪としての土壌を整えていきます。

2007年
日本eスポーツ設立準備委員会が発足。この年にはeスポーツ日韓戦が開催され、日本のプロゲーマーたちは世界の高い壁を痛感することになります。

2011年
第一回eスポーツJAPAN CUP開催。初めての正式な国内大会が行われました。この頃はすでに国内でも人気のゲームタイトルごとに大会が開かれるなど、eスポーツ熱は高まっていました。

2017年
一般社団法人日本eスポーツ連盟が発足。プロゲーマーの支援を行う法人が国内にも誕生し、プロゲーマーが活躍できる場を整えられるようになります。

2018年
上記の日本eスポーツ連盟など、3つの団体が一体となった一般社団法人日本eスポーツ連合(Japan esports Union、以下「JeSU」)が設立。国内で高まるeスポーツの熱が形になり、eスポーツの振興、研究、発展に向けて本格的に団体が始動。会長にはセガホールディングスのの取締役社長である岡村氏が就任。

公認eスポーツと「プロゲーマー」の条件

一概にeスポーツといえど、中にはスポーツとしては公認されていないタイトルもあります。

例えば、スーパーマリオは世界的にも大人気のタイトルですが、スポーツとしては公認されていません。ステージクリアまでの時間を争うタイムアタックは世界中で楽しまれているものの、マリオが疾走する様を見ていても観客として熱狂はしづらいからです。

ここでは、スポーツと認める際の線引の仕方や、ゲーマーがプロとしてどのように認定されるのかを、JeSUの定義をもとに詳しく見ていきましょう。

公認されているeスポーツとは

JeSUはeスポーツの定義として4つの柱を軸として評価しています。

「競技性」「稼働実績」「大会の継続」「興行性」です。

競技性とは、ゲームの中に戦略やテクニックによって他者と競い合うゲーム性があるかどうかを見るものです。

稼働実績とは、そのゲームが3か月以上の運営、販売実績を持っているか否かを見るものです。

大会の継続は、今後も大会を開いたり、スポーツとして継続していく予定を立てているかどうかを見るものです。

興行性は、そのスポーツを見ている人が熱狂できるか、というスポーツとしての面白さを兼ね備えているか否かを見るものです。

eスポーツの選手「プロゲーマー」とは

これまでは、選手やチームに企業スポンサーがつくことでお金をもらいながら練習、大会への出場をこなす人たちをプロゲーマーと呼んでいました。

JeSUが発足したことにより、日本ではJeSU公認プロライセンスを取得した者をプロゲーマーと呼ぶようになってきました。

このプロライセンスには、以下3つの種類があります。

  • ジャパン・eスポーツ・プロライセンス
  • ジャパン・eスポーツ・ジュニアライセンス
  • ジャパン・eスポーツ・チームライセンス

いずれも、JeSU公認タイトルにおいて著しく優秀な成績を収め、ライセンス取得にふさわしいと判断されることが必要とされます。

2018年2月には、このプロライセンスが獲得できる大会が開催されるなど、プロゲーマーの普及や認知は着々と進んでいます。

しかし、海外に対してこうした制度の制定が遅れたこともあり、国内のeスポーツレベルと海外のレベルには開きがあります。ここからは日本のeスポーツの現状について見てみましょう。

2018年が元年!日本におけるeスポーツの現状

日本は、韓国や中国などの他のアジア諸国がeスポーツに関する制度を制定してから数年遅れた頃に、ようやく準備委員会を設置しています。そして現在、アメリカ・中国・韓国が世界から注目されるチームを多数有し、eスポーツ先進国と呼ばれているのに比べ、日本はまだ遅れを取っている状況です。

しかし制度が整った2018年を皮切りに、eスポーツの話題は増え、国内での見解が変化してきました。

アジア競技大会で日本国産のサッカーゲーム「ウイニングイレブン2018」で日本チームが優勝したり、国内初のeスポーツプロリーグやプロ野球史上初のeスポーツリーグが誕生するといった出来事があったのも、2018年です。

先進国を追い抜く実力とそれをサポートする環境作りが期待されるようになり、2018年はまさに日本でのeスポーツ元年と言えるでしょう。

国内でeスポーツがさらに普及するには、環境の整備や意識改革が必要なものの、日本は元祖ゲーム大国です。プロゲーマーを選手として採用する企業も現れはじめ、大会や団体のスポンサーを務める先進的な企業も増えてきているので、国内ではこれからeスポーツ界隈がさらに盛り上がっていくことが予想できます。

まとめ

一昔前はゲームと言えば「子供がやるもの」「遊び」と認識されていましたが、現在は野球やサッカーなどのスポーツ同様にプロの道ができました。

さらに、スマホの普及とともに誰もが普段使っているスマホで楽しめるようになりました。

年齢・性別・国籍関わらずに試合ができるという、そのとっかかりやすさにeスポーツの真髄があります。

そして、ネットの普及によって世界と繋がれるようになった現代だからこそ、世界一手軽に世界と戦えるグローバルな競技として人気を博しているのでしょう。

続々と競技人口を増やし続けているeスポーツ、今後の動向から目が離せませんね。