【出展レポート】第10回 スマート工場EXPO/ウェアラブルWorld
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2026年1月21日(水)~23日(金)、東京ビッグサイトにて開催された「第10回 スマート工場 EXPO」にテックファームが出展しました。
本展示会は製造業向けAI・DXの展示会で、特別企画である「ウェアラブルWorld」ゾーンでの出展となりました。
この記事では、技術伝承、遠隔支援から安全管理まで、最新のウェアラブルソリューションが一堂に出展した本展示会。
当社のARマニュアルを中心としたソリューション内容や当日の様子をレポートしたいと思います。
テックファームブースの展示内容
今回、テックファーム初出展となるスマート工場EXPOでは、当社のXRソリューションを中心に、以下を展示しました。
ARマニュアル
ARグラスを使ったバリアブルフォント体験
XRデバイス統合管理ツール「OneXR」
まるごと3Dモデル化
それぞれ解説していきます。
ARマニュアル
テックファームが提供するARマニュアルは、現場作業者がiPadやARグラス(MiRZAなど)を通じて、機器の3D構造やCADデータ、アノテーション付きの手順をリアルタイムで確認できるソリューションです。
従来の紙マニュアルや動画マニュアルとの大きな違いは、「読む・見る」から「その場で重ねて確認する」体験へのシフトにあります。作業者は手を止めることなく、視野内に表示された情報に従って作業を進められます。

対応デバイスと活用シーン

ブースでは、iPadを使ったARマニュアル体験やApple Vision Proへの対応も展示し、来場者の大きな注目を集めました。
また、ロケーションベースARを活用することで、工場や倉庫内で「作業場所までナビゲーション」する機能も展示。QRコードを読み込むだけで作業員を目的地まで誘導し、作業手順をその場でAR表示するという、実務に直結したユースケースを来場者に体感してもらいました。
ARグラスを使ったバリアブルフォント体験
ARマニュアルとあわせて来場者の目を引いたのが、ARグラス「MiRZA」を使ったバリアブルフォント体験です。一見すると地味な展示に思えますが、これはAR現場利用における「見えやすさ」という根本課題に正面から向き合うデモンストレーションでした。
バリアブルフォントとは
バリアブルフォントとは、文字の太さ(ウェイト)・幅・傾きなどのパラメータを連続的に変化させられるフォント技術です。
今回のデモでは、モリサワが開発した可変フォント「DriveFlux」を使用し、リアルタイムに文字の太さや視認性を変化させる体験を提供しました。

製造現場における「視認性」の重要性
ARグラスで情報を表示する際、実は「文字が読めるかどうか」が導入の成否を大きく左右します。
工場現場では照明条件が場所によって異なり、明るい場所でも暗い場所でも文字がクリアに見える必要があります。また、作業中に手を止めることなく素早く内容を把握できるよう、文字の太さや大きさが適切でなければ現場では使われません。
XRデバイス統合管理ツール「OneXR」
XRデバイス統合管理ツール「OneXR」エリアでは、製造・建設・インフラ分野を中心に注目が集まりました。
OneXRは、複数のXRデバイス(Meta Quest 3/3sなど)を一括で統合管理できるツールで、「マルチプレイ型のVR研修」を手軽に実現できる点が最大の特徴です。

OneXRが解決する課題
VRを使った研修・教育は、体感型で効果が高いとして製造業でも注目が高まっています。しかし複数名が同時にVRゴーグルを装着してひとつの仮想空間を共有する「マルチプレイ研修」は、これまで専門の技術知識が必要で、運用のハードルが高いという課題がありました。
OneXRはこの課題を解消します。複数台のXRデバイスを管理画面から一括でコントロールし、コンテンツの配信・切り替え・参加者管理をシンプルな操作で実現。IT部門の手を借りずとも、研修担当者が自分でマルチプレイVR研修を運営できる環境を提供します。
製造業向けの主な活用シーン
スマート工場EXPOの来場者と会話する中で特に反響が大きかったOneXRの活用シーンは以下のとおりです。
技能教育・作業習得:新入社員や配置転換者が仮想の作業空間で繰り返し練習できます。実機を使わずに安全な環境でスキルを習得できるため、ベテランの指導時間を削減しつつ育成品質を高められます。
安全教育・防災訓練:落下事故体験や火災初期対応など、実際には再現困難なリスクシナリオを体感型で学べます。複数名が同じ仮想空間内で連携して対応訓練を行うマルチプレイ形式は、チームワーク向上にも寄与します。
機器設備のメンテナンス訓練:実機に触れる前に、VR空間で分解・組み立て手順を繰り返し練習できます。高額・大型の設備を実際に操作するリスクを下げながら、教育効果を担保できます。
施設・危険区域の可視化:工場内の危険エリアや立入制限区域を仮想空間上で可視化し、安全意識の向上や新任者の現場理解促進に活用できます。
まるごと3Dモデル化
ARマニュアルと並んで注目を集めたのが、ドローン空撮による「まるごと3Dモデル化」ソリューションです。空間やモノを複数視点から撮影し、高精度に3D化することで、構造物や地形をそのままの形で可視化します。
従来の点群データと比較して軽量かつ高精細な3D表現を実現しており、建設・土木・都市計画などのシミュレーション、点検や測量、施工管理、プレゼンテーションまで幅広く対応します。

主な活用シーン
街をまるごと3Dモデル化:3D化した街並みを自由に散策でき、建物の外観イメージや周辺環境の把握、視覚的にわかりやすい避難経路選定にも活用できます。
建物をまるごと3Dモデル化:街並みや文化財の忠実な再現・保存、完成イメージの共有・プレゼンテーションに最適です。
施設内をまるごと3Dモデル化:“その場にいる感覚”で完成イメージを共有。Web上で移動・視点操作ができる没入体験を提供します。施設紹介やシミュレーションに活用できます。
モノと周辺環境をまるごと3D化:アパレル商材の全身コーディネート再現や、造成予定地の事前シミュレーションなど、実物とのイメージ乖離を軽減します。
スマート工場EXPOから考察する製造業DXの現在地
今回のスマート工場EXPOへの出展を通じて、製造業のDXが“意識”から“実装”の段階へと移行しつつある実感を得ました。現場で感じた考察をまとめます。
「技術継承」は待ったなしの経営課題
2024年版ものづくり白書によると、約6割が「技術指導できる人材が不足している」と回答しています。団塊世代の大量退職が本格化し、熟練技術者が長年培ってきた暗黙知が失われる危機は、多くの製造現場で現実の問題として直面しています。
ARマニュアルは、こうした暗黙知を“視覚的に体系化された形式知”へと変換する手段として非常に有効です。
従来の動画や文書マニュアルと異なり、実際の作業対象に重ねて情報を表示できるため、「見て覚える」ステップを大幅に短縮できます。
展示会の現場でも、体験者が短時間で操作を習得できる様子は来場者に強く印象を与えました。
「実用フェーズ」へ移行する製造業
今回来場者との会話でも、「既存のCADデータはそのまま使えるか」「展開までどれくらいかかるか」「メンテナンスはどうするか」といった、導入を前提とした具体的な質問が中心でした。
これは、製造業全体がDXの「啓蒙フェーズ」を終え、「どう実装するか」という実用段階へと移行していることを示す変化だと感じています。テクノロジーへの興味ではなく、自社の業務課題の解決手段としてARを捉える来場者が増えている点は、市場の成熟を示す確かなシグナルです。
まとめ:初出店のスマート工場EXPOを通して
テックファームにとって初出展となった第10回スマート工場EXPOは、私たちが持つXRソリューションの製造業への適合性を肌で確認できた貴重な機会となりました。
「技術継承」「人手不足」「現場DXの実装」という製造業の課題に対して、テックファームのソリューションは、具体的かつ即効性のある解決策として機能します。
来場者との会話から確信できたのは、製造業はいま“技術に触れる”フェーズから“技術を使い倒す”フェーズへと確実に移行しているということです。
テックファームは、今後も製造現場の"使える"を追求し、ARマニュアル・VR研修・3Dモデル化をはじめとするXRソリューションの開発と実装支援を続けていきます。






