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バーチャルショールームをモデリングなしで作る――TJMデザイン様と取り組んだ3DGS活用PoC

  • 4 日前
  • 読了時間: 6分
キッチンハウス新宿ショールーム

「ショールームに来られないお客様に、どうやって空間の魅力を伝えるか」


DX推進や営業企画の現場で、こんな声が増えています。


写真や動画で情報を届けることはできても、素材の質感、空間の広がり、展示の実在感――そういった"体験"は、なかなか伝わらないのが現実です。


かといって、バーチャル空間をCGで再現しようとすると、制作コストと工数が大きくのしかかります。実物に近づけるほど手間がかかり、変更が生じるたびに修正費用が発生します。そもそも「完成したけれど、なんか違う」という声も少なくありません。


そこで近年、注目を集めているのが3DGS(3D Gaussian Splatting)です。


今回は、「キッチンハウス」「グラフテクト」などの高級カスタムキッチンブランドを展開するTJMデザイン様と実施したバーチャルショールームPoCの取り組みをご紹介します。





今回のPoCについて



背景


TJMデザイン様では、ショールームのないエリアのお客様に対して、製品や空間の魅力をどのように届けるかを検討されていました。


実際に足を運んでいただければ伝わる"質感"や"空間体験"を、Web上で再現できないか。そんな課題感からご相談をいただき、テックファームから3DGSを活用したバーチャルショールームPoCをご提案しました。



PoC概要

項目

内容

撮影場所

キッチンハウス新宿ショールーム 2F

撮影時間

約5時間

撮影枚数

約1,700枚

成果物

ブラウザで閲覧可能な3DGSバーチャル空間




3DGSとは?(ざっくり)


3DGS(3D Gaussian Splatting)は、複数の写真から3D空間を再構成する技術です。

従来のCGモデリングのように、1つひとつ形状を手作業で制作するのではなく、「実物を撮影する」ことで空間そのものをデジタル化できる点が特徴です。


特に、


  • 素材の質感

  • 光の雰囲気

  • 空間のリアリティ


といった"現実らしさ"の表現に優れており、ショールームや展示空間との相性が非常に良い技術です。


技術的な詳細は以下の記事でも紹介しています。




実際の撮影と生成フロー


今回のPoCでは、キッチンハウス新宿ショールームの一区画を対象に撮影を実施しました。


使用したのは一眼カメラ。約5時間をかけて1,700枚程度の写真を撮影し、そのデータをもとに3DGSモデルを生成、最終的にWebブラウザで閲覧可能な形式に変換しています。


「1,700枚」と聞くと大変そうに感じるかもしれませんが、撮影自体は専門的な機材や環境を必要とするわけではありません。重要なのは、空間をくまなくカバーするように、重なりを持たせながら撮影していくことです。



実際のPoCデータはこちら

 



なぜ“モデリングではなく撮影”なのか


バーチャルショールームというと、従来は3DCGモデリングによって空間を再現するケースが主流でした。


しかしモデリングには、いくつかの現実的な課題があります。


  • 制作工数が大きい:空間全体をゼロから作り上げるため、時間とコストがかさむ

  • 修正コストが高い:什器の配置変更や新商品の追加があるたびに改修が必要

  • 実物との差異が出やすい:どれだけ精巧に作っても、"CG感"は残ってしまう

  • 質感表現が難しい:木目、布地、金属光沢など、細かなテクスチャの再現に限界がある


3DGSでは、実際の空間を撮影して生成するため、現実の情報をそのまま扱えることが大きな強みです。


特にショールームでは、


  • 素材感

  • 空間の奥行き

  • 照明の雰囲気

  • 展示の実在感


といった「空間体験そのもの」が、購買決定を左右する重要な要素です。3DGSは、その"体験"をそのままWeb上に持ち込める可能性を持っています。



クライアントの声


"写真以上、CG未満"ではなく、"現実に近い体験"だった


今回のPoCを体験いただいたTJMデザイン様から、以下のようなコメントをいただきました。


過去にも似たような3D化サービスを弊社ショールームに対して実施したことはありましたが、そのときは移動できるポイントが予め設定された場所に限られてしまう部分に不便さを感じ、本格利用までには至りませんでした。 しかし今回の3DGSではそのようなこともなくスムーズに歩き回れるところはまさにバーチャルショールームの名に相応しいと感じられるもので、この方法であれば現実のショールームを写し取るだけにとどまらず見せたいキッチンを見せたい空間に配置することも可能となるので利用イメージをグッと広げることが出来ました。


今回、特にご評価いただいたポイントは以下です。


  • 3DGSの写実性:モデリングでは出しにくい質感や素材感が自然に再現されている

  • 実物に近い空間再現:ショールームの雰囲気がそのまま伝わる

  • Webブラウザで閲覧できる手軽さ:専用アプリ不要で、誰でも体験できる



テックファームの3DGS活用:ショールームだけではない


テックファームでは、TJMデザイン様との取り組み以外にも、さまざまな領域で3DGSの活用を進めています。



アパレル領域での活用


社内スタジオを活用した商品撮影にも取り組んでいます。

モデルの着用状態を360°撮影し、3DGSモデルを生成。商品アノテーションを付与し、CMS経由でWebに配信する構成により、単なる"回転画像"ではない、立体的な商品体験を提供できます。



その他の活用例


建物 × ドローン × 裸眼立体視


ドローンで建物外観を撮影し、3DGS化。SONY SRDを使った裸眼立体表示での提示も実績があります。



工芸品 × XR


スタジオ撮影で工芸品の3DGSモデルを生成し、Meta QuestやApple Vision Proでの没入体験コンテンツとして活用しています。



テックファームが提供できること


3DGSは、「作ること」が目的ではありません。


  • 何を撮るか(対象・空間・商品)

  • どう見せるか(UI設計・導線設計)

  • どのデバイスで体験するか(PC・スマホ・XRヘッドセット)


これらを含めた設計が、成果につながる活用のカギです。

テックファームでは、撮影から表示環境まで一気通貫でご提案しています。



撮影方法


  • 一眼カメラ(屋内空間、商品撮影)

  • 360°カメラ

  • ドローン撮影(建物外観、広域空間)



表示デバイス


  • PC / スマートフォン(ブラウザ閲覧)

  • Meta Quest

  • Apple Vision Pro

  • SONY SRD(裸眼立体視ディスプレイ)



CMSについて


生成した3DGSコンテンツを管理できるCMSも提供しています。

コンテンツはiframe形式で埋め込み可能なため、既存Webサイトへの組み込みも容易です。大規模なシステム改修なしに導入できるため、「まずPoC→本番運用」のステップもスムーズに進められます。



まとめ


3DGSは、単なる"新しい3D技術"ではありません。「実物の魅力をどうデジタルで届けるか」という、営業・マーケティング・DX推進の現場が抱えるリアルな課題に応える技術です。


特にショールームや展示領域では、


  • ショールームに来られないお客様への訴求

  • 展示DX・営業支援ツールとしての活用

  • 空間・商品のデジタルアーカイブ


など、多様なシナリオが考えられます。


テックファームでは、PoCから実運用まで、お客様の目的に合わせた3DGS活用を支援しています。「自社でも活用できるか確認したい」という段階からでも、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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