パナソニック株式会社様にて試験運用中の介護事業者向けサービスへの追加機能に対して、テックファームはサービス価値(ユーザー課題の解消)を検証するためのプロトタイプアプリの開発とUIデザイン、検証設計支援を実施させていただきました。
開発のみでなく、効果的な検証実施を
検証計画後、ユーザーにプロトタイプアプリを操作していただき、アンケートを回収し簡易的に改善点をまとめる方法もありますが、その場合、得られるものが質問への回答に限られてしまいます。ユーザーの仕草や態度を観察し、その理由を聞き出せると効果的な改善点につながると考え、以下の進め方にしました。
- 期待する検証結果を得るためのテスト(得た結果を分類するための判断基準を含む)やインタビューのシナリオ等を作成する「検証設計」
- 上記を実現するために必要な機能と仕様を備えたプロトタイプアプリ開発
プロトタイプアプリ開発と検証設計の進め方
検証するのは、「アプリの機能」だけではなく、「アプリを通してのサービス価値」です。
以下の図のようにプロトタイプアプリ開発と検証設計を同時プロセス進行し、テストシナリオを決めていきました。
検証設計と検証支援
定性調査には、テスト対象者を観察しながら情報収集や整理を行う専門のノウハウが必要なため、定性調査部分のサポートをしました。
プロトタイプアプリは、ユーザー(介護施設職員)が施設利用者に寄り添って検証する想定です。
コロナ禍において、検証に関わる多くの人数が現場に赴くことは難しく、また遠隔での指示も状況的に厳しいことがわかりました。そのため、今回のプロジェクトではコロナ禍等の状況を踏まえ、テックファームメンバーが検証で実施していることを、検証チームメンバーのみでも検証実施していただけるようプランニングしました。具体的には、手順に沿って進行できるようにするためのテスト進行表やインタビュアー初心者でも観察記録を適切に行うための記入ツール等を作成し、以下を提供しました。
- テスト進行表
- テスト実施マニュアル
- テストシナリオ&インタビューシナリオ
- テストのトークスクリプト
プロトタイプアプリとテストに関するマニュアルやシナリオを用いてレクチャー会を実施しました。
その結果、サービスの価値の検証と事業性を判断するために必要な情報を収集するための効果的なテストとインタビュー実施の準備が完了しました。
今回は、検証計画を精緻に立て計画に沿ったサービス価値検証に必要なプロトタイプアプリ開発と検証チームで検証を実施していただける状態まで支援させていただきました。