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福井県越前岬水仙ランドにおけるドローン活用PoC

ドローンポートを活用し、獣害対策や土砂災害予防など自治体業務の補完と運用モデルの確立を目指す

福井県様・越前町様

福井県とテックファーム株式会社は、ドローンを活用した社会課題解決を目的としたアドバイザリー協定を締結し、越前町とともに2026年2月2日より共同で実証実験を実施しました。

本実証は、福井県越前町内の越前岬水仙ランドでの鳥獣害確認・防災対応・施設管理など、人が直接現場に赴かなければ状況を把握できなかった自治体業務を、据置型ドローン(ドローンポート)によって補完する新たな運用モデルの確立を目指すものです。

現場での操縦者の常駐なく遠隔操作で自動飛行が可能な据置型ドローンを活用することで、従事者の安全確保と初動判断の精度向上を同時に実現することを目指しています。


本実証では、福井県と越前町は、実証場所の提供や地域課題の情報提供を行い、テックファームはアドバイザリーパートナーとして、エンジニアを派遣の上、サポートを実施しました。

今後、本実証で得られた成果・運用ノウハウについては、慢性化している人材不足等の行政課題解決にむけ、県内の他地域や県外など横展開を計画しております。


実証実験期間

  • 全体期間:2026年2月2日~3月31日

  • 夜間巡視:2026年3月23日~25日


当初の課題

主には、12~2月に満開を迎え、越前海岸の観光・産業において象徴的な存在となっている「水仙」。

これらの景観を守り、水仙ランドの来場者に見て楽しんでいただく必要がありますが、数年前より猪が水仙の球根を掘り起こしたり、鹿が葉を食べてしまう獣害被害が発生しております。

獣害へ対応すべく、本来ならば鹿や猪の出没エリアや状況の確認を行い対策へ繋げたいところですが、実際には被害発生が主に夜間であることや発生範囲が広域かつ傾斜が強いため現場確認が困難な状況となっています。


また、水仙ランドを訪れる際に通る「国道305号」は過去に壁面土砂災害が発生したこともあり、土砂災害予防の観点から壁面監視を継続的に行う必要がありますが、現状では人員確保等の課題により現場確認が困難な状況となっています。


これらの課題解消に向けて、ドローンポートの設置及びドローンでの飛行撮影を行うことで、人的な現場対応が困難な場所での監視を行うこととしました。


本プロジェクト内容

獣害対策については、まずは出現状況の把握をしないと対策が講じられないという状況でした。出現場所は、人が行くには時間を要したり、危険を伴うエリアも含まれることから、ドローンの活用検討を進めていきました。ドローンは手動操縦で飛行させることが一般的ですが、夜間も含めて定期的に飛行させるために、ドローンの自動離着陸・充電とデータ転送を無人で行える専用機器「ドローンポート」を採用しました。

ドローン飛行において必要な電波確保については、今回のPoC実施場所が沿岸部と山間部という特殊なエリアだったため、上空SIMをドローンに搭載し、強化伝送を使用してドローンの制御通信の維持を行いました。

また、監視が必要なエリアを、自動操縦でのリモート監視を行うために、現地でのテストフライトを何度も行い、最適な飛行ルートを設定しました。さらに、日中帯での飛行ではなかなか獣害対象を捉えることが難しかったため、施設関係者にヒアリングを行い、過去の事象や経験から獣害出現の想定エリアや時間帯などのセグメントを行いました。

定義されたセグメントに応じて、ドローンポートを活用して夜間も遠隔飛行を行ったことで、出現エリアや時間帯の確認をより正確に行うことが出来ました。

獣害対象の夜間の出現状況確認
獣害対象の夜間の出現状況確認
水仙ランド3Dイメージの2D画像
3Dイメージ化した水仙ランド

国道305号の土砂災害予防のための壁面確認については、状況確認自体が困難でした。ドローンを活用することで人が確認しづらい場所も撮影ができ、さらにドローンポートを活用した夜間での遠隔飛行も行ったことで、同ヵ所の複数日同時刻飛行による壁面状態の連続撮影を行うことが出来ました。

玉川岩盤崩落事故現場
1989年に発生した玉川岩盤崩落事故現場のRGBカメラ/サーマルカメラ画角比較

本プロジェクトの特徴

  1. 社会実装の実績がまだ少ないドローンポートを活用

  2. レベル3.5飛行かつ、日没後(夜間飛行)の実施

  3. レベル3.5飛行を行うための国交省への申請を実施

  4. 国家資格の1等及び、2等の無人航空機操縦士の有資格者で対応

  5. 単なるドローンの操縦だけではなく、安定した操縦と操作を目的にした専用ツールを構築、活用

現地実証デモンストレーション・見学会も実施

今回はドローンを活用した社会課題の解消に向けた実証実験であるため、福井県内の自治体や企業などの団体に向けて、現地実証(獣害確認等)デモンストレーション及び、見学会をプロジェクトメンバーで企てて実施しております。

  • 開催日:2026年3月26日(木)、27日(金)

  • 参加実績:27団体、約50名

今後について

今後の対策についてはいずれも継続した協議と実施が必要ではありますが、状況確認が十分ではなかった獣害の出現確認や、状況確認に困難がある箇所でのドローンポート/ドローンの活用方法として、一定の期待値を越えることができました。

今後は、獣害対策は発見視点や発見後の対策を、国道/県道305号線の壁面土砂災害は撮影データの活用を継続協議し、課題改善へと繋げていく予定です。

テックファームとしては、獣害対策、災害予防や監視、防犯対策など、社会課題解決に向けた範囲における活躍を増やしていく予定です。


お客様の声

福井県様

今回の実証では、目覚ましい技術の発展と、ドローンの有効性を確認することができました。

人手不足によりサービスレベルの低下が課題となる中、このようなドローンポートを活用することで、獣害調査や施設維持管理、災害対応など、有事平時を問わず、持続可能で安心安全な暮らしを確保できると考えています。

これからも、この様な取組を進め、暮らしやすい福井県の実現を目指します。

越前町様

今回のドローン活用実証実験は、越前海岸を縦断する国道305号や獣害被害状況を空から確認し、安全確認等の対策へ繋げるとの説明をいただきました。

しかし、海岸段丘が広く発達した特殊な地形と、風が非常に強い越前海岸でドローンは本当に操縦できるのかと疑問に思っていました。見学会ではこの疑問を払拭するようなデモンストレーションや飛行データを見せていただき、ここから新しい対策ができるのではないかと期待が膨らみます。




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