健康増進アプリ『QOLism(キュオリズム)』のスマートフォンアプリ開発とUI/UXデザイン
株式会社 QOLead様 健康増進アプリ『QOLism(キュオリズム)』のスマートフォンアプリ開発とUI/UXデザイン
株式会社QOLead様
サービス概要
『QOLism』は利用者の健康をサポートすることで健康保険組合などの医療費負担を抑制を目指し、管理ツールで利用状況等を可視化することで健保や共済、企業の健康増進活動を支え、「健康経営」の実現を目指すためのアプリです。
個々人に最適化された運動・食事・健康プログラムの提供のみならず、健康保険組合、団体側からも組合員(社員)をサポートできるのが特徴。
歩数を競うイベントの企画や、活動状況に応じたポイント付与・商品交換などのインセンティブ設定も可能で、楽しみながら健康維持を促す様々な仕掛けが実施できます。
また、団体管理者側の機能として、組合員(社員)の利用状況を可視化する「団体管理者向けダッシュボード」機能を搭載。健康増進の取り組みを可視化し、促進することが可能となります。
「データヘルスグランプリ2021 」にて最優秀賞を受賞
『QOLism』を提供する株式会社QOLead様は、「データヘルス・予防サービス見本市 2021(2021年11月オンラインで実施)」内で開催された「データヘルスグランプリ2021 」にて最優秀賞を受賞しました。
『QOLism』は同社が提供するデータヘルス推進支援サービス「Healstep®(ヘルステップ)」を支える4つの柱の一つとして重要な役割を果たしております。
データヘルスグランプリは、見本市会期 3 日間におけるバーチャル出展ブースへの来場者数、出展ぺージへの閲覧数をもとに決定されており、医療費適正化や保健事業等に課題をお持ちの方々からたくさんの興味やご期待をいただいていることが、改めて分かる形となりました。
開発背景・課題
日本においては高齢化を背景に、国民の医療費が増大の一途を辿っています。それに伴い健康保険組合の財政も逼迫した状況に陥っているのが現状です。今後は、経済産業省が推進する「健康経営」により、企業が従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に健康増進を実践していくことが期待されています。そして、新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、健康意識への変化や従業員の健康管理の課題が認識され、企業の健康投資への姿勢も変化しています。
そこで、組合員の健康維持を促進することにより、医療費の抑制や、活力・生産性向上をサポートするため、『QOLism』は開発されました。
テックファーム実施内容
テックファームは、共同開発の中でスマートフォンアプリのUX設計に加え、モバイルパートのシステム要件定義、システム設計、開発、保守運用を担当し、現在はサービス改善のサポートを実施しています。
今回はシステムの開発だけでなく、サービスデザインについても支援をさせていただいているのが特徴です。
テックファームのサービスデザイン支援は、ユーザー価値とビジネス価値の設計を中心にリリース後も成長するサービスをデザインするサービスです。
以下のプロセスを実施する中で、ビジネス価値・ユーザー価値・コンセプト・体験・UIの設計を実施しました。その他、アプリ名やロゴのデザインも提供いたしました。
プロセスについて
1. サービスコンセプトの設計 - リサーチ
ユーザーの健康に関する障壁やニーズを理解するために「デスクトップリサーチ」と「ユーザーインタビュー」を実施しました。
「デスクトップリサーチ」では、史上公開されている「健康増進」に関する調査データを分析し、「健康増進活動を阻害する要因」の仮説を抽出しました。 そうした中から、定量的な事実が明確になり、アプリ開発において大切な役割を果たしました。特に「健康増進への取り組みで挫折した理由」については、本アプリの特徴である、無理なく続けられるというコンセプトを実現する上で、大きなヒントとなりました。
「ユーザーインタビュー」では、実際に健康活動を実施したことのある被験者とテレビ会議でリモートインタビューを実施し、デスクトップリサーチから抽出した仮説の確認、行動理解、インサイトの発見に努めました。
- ユーザーモデリング
リサーチで得られた情報をもとに、ユーザーの特徴や重要なインサイトを整理しました。 この後のプロセス(体験設計や意思決定)において大切な拠り所となる、ユーザー像を設計。こうした過程を経て、精度の高いペルソナ(ターゲットユーザー像)を設定することができました。
- コンセプト設計
サービスデザインをするにあたっては、お客様のビジネスゴール(ビジネス価値)を頂点とした「サービスデザインツリー」のフレームワークを使用しました。その中で、先に設定したペルソナにとっての価値である「ユーザー価値」を定義し、それが実現できる機能を設計していきました。
こうして次のようなコンセプトが誕生しました。 『QOLism - 健康リズムが自然と身につくアプリ -』
2. ユーザー体験とUIの設計
コンセプトをしっかりユーザーが享受できるよう、ユーザーが無理することなく、サービスを自然と使えるような設計に注意しました。
- UI設計
miroやFigmaといったオンラインでも円滑にコミュニケーションをとれるツールを駆使しながらプロジェクトを進行しました。 お客様、サービスデザイナー、UXデザイナーがフラットに、「ディスカッション→プロトタイピング」を高速に繰り返す「ラピッドプロトタイピング」で、画面だけにとどまらない体験をデザインしていきました。
- ビジュアルコンセプトの策定
「健康リズムが自然と身につくアプリ」というコンセプトを中心に、具体的な色や言語に落とし込んでいくことで、サービスの世界観を可視化していきました。
さらに言語化されたイメージに沿ったビジュアルを探し出し、サービスの世界観をすり合わせる工程を経ることで、お客様との認識をしっかりと揃えることができました。 デザインに関してはユニバーサルデザインに沿って行い、色弱者の方々にも配慮した設計になっています。
プロジェクトのポイント
2ヶ月半という短い期間で、ユーザーリサーチからUIデザインまでを実施しました。 それを可能にしたのが、「miro・Figma・Slackなどのオンラインツール総動員」と「クライアントのオフィスに即席のデザインラボを作り、最少人数で素早いコミュニケーションと意思決定を実行していったこと」です。
エンジニアチームとデザインチームが常にコミュニケーションをとり、「提供価値」と「期間内での実現性」がバランスしたMVP開発を実現しています。
開発だけで終わらない、リリース後のグロースを見据えた環境を整備。KPI設計、データ分析環境の構築、グロースサイクルを開発段階から考慮して進めました。
お客様の声(第一生命グループ 株式会社 QOLead 企画・開発総括 由水取締役)
当社を選定していただいた理由をお聞かせください
これまで別のプロジェクトで一緒に開発をしてきたので、その実績は大きいと思います。ゼロから他のベンダーを探すのはとても労力が必要ですし、テックファームであれば安心できるという部分はありました。
また、これまでのプロジェクトと違う点として、開発チームとは別にデザインチームをアサインしてくれたところがあります。UI/UXに課題感を持っていましたが、浦田さん(テックファーム リードサービスデザイナー)のように、健康増進アプリとしてシンプルに健康増進を促すためにはどうしたらよいか?を一緒に考えてくれるメンバーがいたのも非常にポイントが高かったです。
プロジェクトを通して、テックファームはどのような価値が提供できましたか?
浦田さんを中心としたデザインチームが、MiroやFigmaといったオンラインツールを上手に使いながら、要件定義の部分をリードしてくれたのがとても助かりました。
通常だとパワポなどでこちらが画面仕様などをベンダーにお渡しするのですが、その部分をデザインチームが精度の高いものを作り提案してもらうという形だったので、当社としてはそのレビューに徹することができました。これは非常に大きな価値だったと思います。
当社側の負担も軽くなりPDCAも早く回せたのではないかなと感じます。
今後、テックファームにご期待いただいていることはありますか?
単なるベンダーではなく、ビジネスのパートナーとしてこれからも価値を発揮してもらいたいです。
今回のプロジェクトでは開発だけでなく、アプリの活用やグロースの取り組みも一緒に行っています。ただの開発ベンダーではなくビジネスパートナーとして健保組合ビジネスを一緒に育てていくという取り組みをぜひ継続していただきたいです。
多くのベンダーは開発して終わりというパターンが多いですが、今回のように開発したアプリを一緒に運用しながらPDCAを回すと、その中で発見や課題が出てくると思います。それを次に活かして新しいサービスやビジネスを共に創出していくことができれば素晴らしいです。
開発の部分だけでなく、当社ビジネスの提供価値についても一緒に考えていきたいです。